砂漠の中をキャラバンが、
ゆっくりのっそりと歩いていた……。
“クソ”遅い……。
まぁ、この砂漠だから
しょうがないが……。
少し遠くでは、ベドウィンが
“お茶&rdquo...
いちはぜん、ぜんはいち。
砂漠の中をキャラバンが、
ゆっくりのっそりと歩いていた……。
“クソ”遅い……。
まぁ、この砂漠だから
しょうがないが……。
少し遠くでは、ベドウィンが
“お茶&rdquo...
明くる朝、
俺はベットの上だった。
こんなんで寝れるなんてありがたい。
そう言おうと思った瞬間、
穴を掘らされに外に担ぎ出されるチェーホフが
目に入った。
まぁ……大丈夫か。
懐中時計をまさぐって探し、
毛布を脇に避けた。
懐中時計は冷たい。
&ldq...
今何時だよ……
向こうに配給の台車が見える。
ちょっとかっぱら…… っと思ったが
止めとこう。
チェーホフはさっきの上官(か?)に
抱き起されて、
兵舎に運ばれる最中だった。
俺も立たないとな。
一瞬足に力が入らなかったが、
...
チェーホフは座り込んでタバコを吸っていた。
あちらのほうでは、民会をやっている。
このクソ寒いウクライナの国境というのに、
住民はのんきにタバコを吸いながら民会をしている。
「クソッ!」
チェーホフが不意に吐き捨てた。
「どうしたんだ」
俺は聞いた。
「いや。べつに」
チェーホフは...
2日目―――
船員がハンガー・セイル
(レリー・スプリットの後ろにある小さめの帆)の手入れを
終えたころ、
ようやく岸に上がるための船の準備が整った。
艦長がGO サインを出す。
艦長(実はもどき)以下数人の水夫が
岸に向かってゆっくりと漕ぎ出す。
こちら側は同様の船を他にも2隻出し...