Nicotto Town



変わる世界と変わらぬ自分(小説)

やっぱり僕は僕だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから他の人になんてなれっこない。
最初から自分の道を行くしかないってこと。

今から少し未来。徹底した効率化を図った世界があった。時代は超管理型社会へと突入し、人間ですら画一化される世の中となった。
僕はサラリーマンだった。七三分けにメガネ、...

>> 続きを読む


あの空

たいていのことは受け入れられるようになっていた。
というか、諦められるようになった。
昔は理不尽なことと戦っていたが、今ではどうでもよくなった。
嫌なこともすぐ忘れるし、時間が経てばいつも通りだった。
なんとなく惰性で生きているな。私は思った。
私は職場ではある程度の立場にあった。しかしながら、実際...

>> 続きを読む


彼女の憂鬱

高校時代の僕は何か勘違いしていた。
いい大学へ行って、一流企業へ就職することが人生の全てだと思っていた。
そう教育されていたし、大人達はみなそう言っていた。
実際、ほとんどの時間を勉強に費やした。地方の学校ではあったが、成績はトップ。
そんな敷かれたレールを進む人生に疑問はなかった。


彼女と出会...

>> 続きを読む


ある男の独白

今僕は病院にいる。精神の病だった。当時のことはよく覚えてないが、どうやら仕事で過労らしかった。入院して2ヶ月ほどで、やっと落ち着いたが、何もやる気は起きなかった。
仕事は断ろうと思えば断れたが、何かに没頭していたかったのだろう。
見て見ぬ振りをしなければいけないものが社会にはたくさんあった。
それら...

>> 続きを読む


地図の片隅に⑤

「上床版の合成短繊維については剥落防止のためにも必要だと思います」中川さんが躯体上床版のコンクリート仕様について述べる。今日は東京都建設局の建設事務所に施工計画の説明に来ていた。今回の線路下横断構造物については建設こそ鉄道会社主体ですすめられるものの最終的な保守管理は道路管理者にゆだねられる。基本的...

>> 続きを読む





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.