Nicotto Town



ゆきうさぎ  (後編)

キタキツネは、雪うさぎの首筋にかみつこうと、口を大きく開き飛びかかる。雪うさぎは、雪を蹴りかわす。キタキツネは、雪を口の中から吐き出しながら、目で雪うさぎを追う。
雪うさぎが動きを止めた一瞬を狙って、キタキツネは再び飛びかかった。雪うさぎがよけることを見越して、キタキツネは前足を伸ばし雪うさぎを押さ...

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ゆきうさぎ (前編)

大雪連峰の主峰旭岳から続く稜線の先に、緩やかに起伏をうつ二コタ平が広がっている。初夏には、一斉に高山植物が咲き乱れ、宝石を散りばめた淡い緑の絨毯が敷き詰められたようになるが、今は、白銀のモノトーンの世界が広がっている。
3日続いた吹雪がやみ、太陽の日差しが新雪に反射しキラキラと輝いている。時折、枝に...

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ひとりぼっちの クリスマス・イブ

団子坂サービスエリアで煙草を吸っていると、小太りの男に声をかけられた。確か、田中という名前だったはずだ。チェックのシャツの上からピンク色のプルオーバーのパーカーを着て、さらにダウンジャケットを羽織っている。
小太りの体型が際立ち、たぬきの着ぐるみのようになっている。クリスマス寒波がおとずれ、日本海側...

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ニコタリオン (後編)

【前話までのあらすじ】火星人の催眠攻撃を受けた健太郎は、後遺症に苦しんでいた。星羅がいなくなったコクピットで、シートに座っていると睡魔に襲われ悪夢に襲われた。
装飾の少ないシンプルな造作のカフェで、中年男性の一人客がおしぼりで顔をぬぐいながらメニューをのぞき込んでいる。駅から少し離れた住宅街にあるカ...

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ニコタリオン (中編)

【前編のあらすじ】前編のことをすっかり忘れた人達ばかりであろう。作者も忘れたので、簡単に振り返ってみよう。
土星の惑星タイタンから、メタンを満載し地球に向かう宇宙貨物船ニコタリオンが、火星軌道の内側を航行していたとき、10万宇宙キロ前方を進む姉妹艦カマタマンが火星人の襲撃を受けた。健太郎は高速艇に乗...

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