Nicotto Town


陽猫のいろいろ


システムではなく、まずは人。

http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMIT33000026012009

交流のある方の日記で、この方が書いた記事のURLを教えてもらった。
夏野 剛(なつの たけし)という人この人は、ネオ・ジャパネスク論を展開しているらしい。

早速読んでみたけれど、、、なんといえばいいのか、(非常に文章構成が下手な人なのかもしれないという懸念はあるものの)、ビジネスニュースであり、経営者向けと思われる記事なのにもかかわらず、他力本願さがにじみ出ている文章だった。(いや、好意的に考えて、経営陣を鼓舞するためのパフォーマンスであるという見方もあるかもしれない)

今回の記事の前半は米国システムは危機に強く、日本システムは危機に弱いと定め、そして、米国の企業や大統領選挙を例に上げ、直接選挙さえすれば結果を出せるという型どおりの謳い文句を挙げられている。
そして後半は、日本の制度的にニューリーダーを生み出すことは困難だから、今のリーダー達がなんとかして欲しい。とまとめている。

この人の言うとおり、もし本当に今のリーダー達が平時のリーダー然としているのであれば、バブル後、幾度と無く襲ってきた出来事は、到底、乗り切れるものではなかったであろう。だが、実際は乗り切ってきた精鋭達である。
そういう視点もなしに、米国式を賛美するのだから、いい加減なものだと思う。

そして、版で押したかのような米国式リーダー選出賛美には、本当にげんなりする。
何故、この手の米国選挙システム羨望派は、直接選挙さえ出来れば日本も
変わる、などという幻想に囚われてしまうのだろうか?

それは、現状変化を望むあまり、自身の足元を見ていないからなのではないか、と私は考えてみた。
何故、そのように考えるかというと、
日本にだって、直接選挙によってリーダーを選ぶという選挙システムがあるからだ。もちろん、それは国政選挙のことではない。

それは、地方自治選挙の話だ。
都道府県知事をはじめ、地方自治体のリーダーはすべて、私たち国民の直接選挙で選ばれている。
しかし、結果はどうであろう?
直接選挙によって選んだ民意を反映した私たちのリーダーが、手腕を振るっているはずの、ほとんどの地方自治体は、疲弊しているのが現状だというのは、どういったわけであろうか。

もちろん、国政と地方自治なので、単純には比較できない。
けれど、規模から言って、変化しやすいはずの地方自治でさえも、直接選挙によって、私たちは何を変えてきたというのか?
この問いに、明確な回答を出せない私たちにとって、
「直接選挙によって、全てが改善する」などというのは幻想に過ぎないのではないだろうか。

選挙結果が思わしくないことを、システムのせいにして逃げているのでは、改善など出来はしない。
改善を望むのであれば、まず、選ぶ側の私たちに問題があるのだという認識が必要なのだ。

より良く変化させたいのであれば、知らなければならないことは山ほどある。
その全てを他人任せにしたままでは、口車に乗せられてしまって、思っても見なかった結果を招いてしまうだろう。

だから、まずは、自身が望む、日本の未来像を明確にしよう。

日本は少子高齢化だ。
その事によってこれまで日本を支えてきたシステムの、あちらこちらにほころびがでてきている。
だから、人口を増やす為に、他民族国家の道を選ぶのか、
もしくは、少人数国家としての道を模索するのか。
それとも、別の道を探すのか。
そのうちのどれを選ぶかによって、日本を支えるシステム作りも変わってくる。
福祉にどの程度力を入れたいのか?、国際社会のどの位置にいたいのか?、商品競争力をどの程度高めたいのか?、日本を国家としてどのように作り上げたいのか?

そういう根本的な問題すら定義しない、論議しない状態で、ただ単にシステム改善を求めていても、皆の理想とする『新しい日本』などきやしない。

今、国民の一人一人こそが、変わらなければならない時期に来ているのだ。

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2009/02/07 00:02
こんにちは、☆☽いくじろうさん。コメントありがとうございます。
>で、それがもし日本人の待つ環境適応の術ならば、それでいいんじゃ
>ないかなと、思ったりします。
☆☽いくじろうさんのこういう切り口、いいなぁといつも思います。
確かに、そういうのもアリだよなぁと思う自分もいるんですよね。
なんとも、考えるのは難しいです。
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2009/02/06 23:42
おお、久しぶりに熱いメッセージです。
日本のリーダーが優れているとか、アメリカのリーダーが優れている
とかって、論理構成でどうにでも導きだせるのね。
「とりあえず周りに合わせて動く、・・・」なんて言うのは、たとえば、野
中郁次郎は、日本人の思考・行動の仕方が、環境をあるがまま受け入
れて自分自身と一体化させることに特徴をもっていて、それが何度も
訪れた危機を乗り越える要素になったようなこと言っている。
悪く言うと、昨日まで鬼畜米兵と呼んでいた相手を、次の瞬間には羨
望のまなざしで見るという節操の無さ。
で、それがもし日本人の待つ環境適応の術ならば、それでいいんじゃ
ないかなと、思ったりします。




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