Nicotto Town


陽猫のいろいろ


価値観の違い

旦那とテレビ番組の世界遺産を見ていた時の話。

今回のテーマは、「アウシュヴィッツ」
世界遺産の中では、負の遺産とされている。

こういうテーマを扱うときには、大抵、誇張された話や、疑わしい
とされる話まで事実として扱われるので、旦那とあーだこーだと
話しながら見るのが、我が家の常だ。

その時、テレビ画面にカバンの山が、大きく映し出された。
ナレーションによると、強制収容所につれてこられた人たちのモノ
だという。

陽猫「カバン、なんで、遺族に返さないんだろう?」
旦那「価値観の違いじゃない?」
陽猫「え?どういうこと?」
旦那「あー、そうだねぇ~。
    分かりやすい例をあげると、アメリカのスペースシャトルが
    爆発したニュース、覚えてる?」
陽猫「ああ、発射して数秒で爆発したって、あのニュース?」
旦那「そうそう。で、その後、シャトルに乗っていた人の遺体の一部が
    海で発見された時に、遺族が言った言葉がね
    『悲しみが倍になった』って言ったらしい」
陽猫「え~、何で?!」
旦那「知らないよ~。だから、価値観の違いだって」
陽猫「ぬー」
旦那「彼らの感覚としては、死んだ場所が安置所らしいんだよね。
    海で死んだら、そこが永遠に眠る場所。そこから帰って来たから
    悲しみが増すって考えるんじゃないの?
    あぁ、ほら、前に日本の高校生達が乗っていた研修船に、アメ
    リカの潜水艦がぶつかったって事故があっただろう?
    あの時だって、日本政府が強く要請したから、沈没した船をひ
    き上げたんであって、アメリカ人からしてみたら、何でわざわざ
    引き上げなきゃいけないのかって感覚らしいんだよね」
陽猫「そういえば、ネットでも随分、米国を非難していたよね。事故起こ
    して沈めたのに、船引き上げるのを渋っているって」
旦那「日本人からしてみたら、遺体や遺品を引き渡してもらうのは当然
    だし、遺体がどうしても見つからないなら、遺品だけでも帰してほ
    しいと思うし、それを棺に詰めて葬式だってする。
    でも、アメリカ人からしてみれば、海だって地面の一つであり、海
    で死んだのならば、そこが、安置所なんだって考える。
    そうすると、何でわざわざ引き上げなきゃいけないのか分からな
    いんだよね。まさしく、価値観の違いだからどうしようもない」
陽猫「うーん、そうかー。」

アウシュヴィッツにうず高くつまれたカバンの山が、何故今もあるのか、
正直、まだ、分からないけれど、理由の一つとして、価値観の違いによ
って、というものがあるのだと知った。

価値観の違いって、こんなにも大きなものだったんだと、改めて知らさ
れた気分だ。

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2009/03/02 07:46
こんにちは、おまめさん。コメントありがとうございます。
>このニコでは、価値観、人生観の全く違う人と
>交流できるので不思議な感じがします。

そうですよね。
特にネット世界では、そういう機会に恵まれることが多いので、
私も、いつも興味深いです。
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2009/03/02 06:39
なかなか興味深く読ましてもらいました。

このニコでは、価値観、人生観の全く違う人と
交流できるので不思議な感じがします。
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2009/03/01 20:29
こんにちは、DAIさん。コメントありがとうございます。
>同じ話を日本で事件に巻き込まれた外国人で聞いたことあるです。
>外国人のご両親は、電話を受けたときになくなったと悟ったそう。
そうなんですか。
外国の地で、事件にあわれて亡くなられるなんて、とてもお気の毒だと思います。
謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。
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2009/03/01 20:25
こんにちは、しゃーらさん。コメントありがとうございます。
>あぁでもどうだろう、ケースバイケースかなぁ。
そうなんですよねー。
私たちの感覚からすると、「亡くなった人にとって好きな場所」であるならば、
その場所を安置所だと考える事も出来ますが、基本、家族の下へ帰して
欲しいと考えるんですよね。
だから、スペースシャトル事故の時のような事があれば、遺体の一部が発見
されたと聞いたときに、もちろん悲しみを新たにはしますが、それよりも、
家族の下へ帰ってきてくれたのだから、これで、キチンと埋葬してあげられる
と考える。
だから、遺体が見つかって悲しみが増したとしても、コメントで、「悲しみが増
した」と、口にはしないんですよね。
「家族が家に帰って来てくれた」とか「これでやっと供養をしてあげられる」とか
そういう方面のコメントを口にします。
この違いが、価値観の違いなんだろうなと思います。

アウシュヴィッツの件も、同じで、私達日本人からすれば、強制収容につれて
行かれて亡くなったのだとしたら、遺体や遺品を家族の下へ返して欲しいと、
願いませんか?
それが、家族の下に帰されず、それが叶わないのであれば、共同墓地という形で
でも、遺品が埋葬される事もなく、今だに無造作にうず高く積上げられているまま
の、あのカバンの山には、一種の異様さを私は感じたんですよね。
おそらく、旦那もそれを感じたのでしょう。
だからこそ、『価値観の違いだ』という意見になったのだろうな、と思います。
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2009/03/01 10:13
同じ話を日本で事件に巻き込まれた外国人で聞いたことあるです。
外国人のご両親は、電話を受けたときになくなったと悟ったそう。
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2009/03/01 09:12
アウシュビッツの例はいまいち理解しがたいものがありますが、
海で遺体が見つかって悲しみが倍ってのは何となく気持ちがわかるような。
あぁでもどうだろう、ケースバイケースかなぁ。
たとえば山が好きな人が登山中の遭難で死んだのならそのまま眠らせておこうって思うけど、
シャトルが落ちて海に…だと、本人も不本意過ぎるだろうから、やっぱりお家に帰してほしいって思うかなぁ。




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