Nicotto Town


陽猫のいろいろ


全てを包括する政策はない

ブログ記事、
「菅内閣の危険水域突入を機に -新聞ネット記事より」にて私は、
私たちが政治を任せたいと真に思う政治家を探し、選択すること、
探す基準は、私たち自身が政治や政治家に何を求めているか。
だと書きました。

それに対して、
>しかしさらに、その求めている「何」が、政策としてどの
>ような形をとることが望ましいのか、それを見極めること
>がとても難しい状況になっている。それこそ最大の問題の
>ようにも思える。
とのコメントをいただいたので、私なりにまとめてみました。
個別コメントへのレスなのですが、とても長くなってしまった事と
より多くの人との意見交流が必要な話であろうと考えましたので
ブログ記事の一つとして起こすことにしました。


まず、政治家が提示するどの政策を選択すればいいのか、よく
分からなくなるのは、政治家が政策をアピールするときに、
その政策によってどのような結果をもたらすのかを、多くの場合、
明確な文言にせず、ニュアンスやイメージで表現しているからです。
何故、政治家がニュアンスやイメージを多用するのかといえば、

一つは、有権者側の要望が一つにまとまっていない事から明確
にすると賛否両論に分かれてしまって、結果多くの票が取れな
くなるからです。

一つは、有権者側が明確な要望を持っていないから、幸せな未
来像をイメージし易いような、ニュアンスやイメージで表現した方
が、有権者に伝わりやすくなっているからです。

この大きく分けてこの二つの要因によって、政治家が提示している
どの政策を選択すればいいのか、よく分からなくなっている状況に
なっています。

このような状況下で、
「政策としてどのような形をとることが望ましいのか」
を有権者が判断しようとするなら、まずは、腹を決めることだろうと
私は考えます。

日本の将来像として、
日本国民全体の生活レベルを、高度成長期時代のように押し上げ
ることを選択するのであれば、国民全体が上昇志向にならなけれ
ば出来ません。
新たな中流像を定め、過去にあった3C(クーラー・車・カラーテレビ)
のような取得目標を謳い、身を粉にして働きさえすれば報われる社
会だという意識を持つ必要があるでしょう。

フルーツバスケットよろしく、格差社会と言われようとも、たまたま
時代にマッチした能力を発揮できたものだけが大きな利益を得る
ことが出来る、勝ち取り社会を選択するのであれば、
獲得した利益を社会に還元するシステムも、また、受諾しなけれ
ばなりません。
お金の停滞は、社会システムの血流を止めることになりますから
社会が活動出来るように、一定量を社会に還元し続けなければな
らないでしょう。
また、何らかのチャンスによって獲得できた報酬は、永遠に受け
られるものではなく、チャンスをつかみ続けなければ、得られない
報酬だとの認識も必要でしょう。

高福祉・高負担社会を目指すなら、ギリシャのように、健康で能力
も体力もある若者から搾取し、公務員と高齢者天国の社会という
事になりますので、国際社会との競争とか、社会成長というも
のは諦めなければなりません。
若者の労働意欲を奪い、半端な労働であるならしない方が報われ
る社会だとの意識が蔓延しますが、それでも働かなければ食べて
いけませんので、将来の安泰の為という人参によっての労働意欲
を掻き立てなければならないでしょう。

上記に挙げたような例、その全てを望んで、何一つ諦められない
というのであれば、「望む事どれも満足できる結果は得られない」
という事態を許容しなければなりません。
多様な社会でありながら、高負担せずに高福祉を得られ、誰もが
身を粉にして働くこともなく高収入が得られる社会は、どこの国
にも存在しませんので、それを目指すという事は、何にも得られ
ないという事と同じことなのです。

とりあえずいくつかざっとあげましたが、
このように、どのような政策にも、一長一短あるものです。
なので、何かを選択すれば、何かを諦めなければならないという
事を理解し、腹を決めることは、目標とする未来を実現する政策
を選択するために、とても重要なことだと私は考えています。

先に挙げた例は、どれも、皆が幸せにならない!とお考えの方も
いらっしゃるかと思います。
では、幸せとはなんでしょう?
千差万別、各自が持つ物差しによってはかられる幸せを、専門家
である社会学者でも一概には言えない「幸せ」を、政治家が一般化し、
それを目指して政策を作るというのは、至難の業なのです。

それでも、政治によって、国民の「幸せ」を目指すのであれば、
どのようにフォローするのか、という事だと思います。
マイノリティーはどのような社会を作っても存在します。
それをどこまでフォローするのかを、決断するのが≪政治≫なので
あろうと思います。

だからこそ、『全てを包括する政策はない』という事を、私たち有権者
自身が、理解していなければならないと考えます。

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2011/01/16 18:54
こんにちは、苗採るさん。

>本当に腹をくくらねばいけない時が来たと思います。

賛同ありがとうございます。
どれも大事な事だと抱え込んでいては身動きできませんからね。
現状を変えたいのであれば、何かを諦める事はとても必要な事だと私は思います。
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2011/01/16 18:39
本当に腹をくくらねばいけない時が来たと思います。
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2011/01/16 18:31
こんにちは、不知詠人さん。

>誰の言葉かは忘れましたが「平等とは、格差が一般市民の納得できる範囲に
>収まっている状態」という定義もありました。

うん、そうですね。
言い得ていると思います(^^)

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2011/01/16 18:11
>千差万別、各自が持つ物差しによってはかられる幸せ

そう、これが大事なんですよね。
誰の言葉かは忘れましたが「平等とは、格差が一般市民の納得できる範囲に収まっている状態」という定義もありました。




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