地域振興券について
- カテゴリ:日記
- 2008/11/17 00:07:05
今回、政府が提案している「定額給付金」批判で、よく出てくる
「前回の地域振興券で成果がでなかったのに」というものが
ありますので、今回は、「地域振興券」について検証してみたい
と思います。
◎まず、地域振興券とはどういうものだったのか?
財源を国が全額補助することで日本全国の市区町村が発行し
一定の条件を満たした国民に1人2万円分(額面1,000円の地域
振興券を1人20枚ずつ)、総額6,194億円を贈与という形で交付
した。交付開始日から6ヶ月間有効で原則として発行元の市区町
村内のみで使用でき、釣り銭を出すことが禁止され額面以上の
買い物をすることが義務付けられたものでした。
◎結果はどのようなものだったのか?
http://www5.cao.go.jp/99/f/19990806f-shinkouken.html
経済企画庁が、利用実態等のアンケート調査を行った結果によ
ると、6月15日現在で、交付のあった世帯のうち約76%が地域
振興券の利用を完了し、消費の押し上げ額は、2,025億円程
度(GDPの個人消費の0.1%程度)と推定されるものだった。
と、明記してありました。
客観的に判断すれば、妥当な結果であったと言えるのではない
でしょうか。
給付対象者がどのような方々だったのかを見てください。
配布対象
* 15歳以下の子供(1983年1月2日以降出生者)のいる世帯主。
* 老齢福祉年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、母子年金、
準母子年金、遺児年金、児童扶養手当、障害児福祉手当、
特別障害者手当の受給者。
* 生活保護の被保護者、社会福祉施設への措置入所者。
* 満65歳以上(1934年1月1日以前出生者)で市町村民税の非
課税者(課税されている者の税法上の被扶養者を除く)
※いずれも1999年1月1日現在を基準日とする。
見ていただくと分るとおり、一番、お金の欲しい世帯であると同時
に、お金を散財しにくい世帯であることがお分かりいただけると思
います。
余剰金があれば貯蓄に回し、貯蓄に回せないのであれば、生活
費に使用しようとする世帯であるにも関わらず、支出が増加したと
みられる金額は、振興券使用額の14%程度もあったとありました。
つまり、節約する世帯であっても、「あぶく銭」によっての散財意識
が刺激されるのだという結果を示しているとも判断できます。
ただ、残念な事に、貯蓄に回されたお金の使い道についての調
査が見当たらなかったので、実質、どの程度お金が散財された
のかは分りませんでした。
◎何故、愚策といわれるのか?
これは、実施段階において、既に目的を達する事ができない政
策だったからです。
低迷する景気に喝を入れる切り札として、某政党がアイデアを出
したもので、最初のアイデアでは、国民全員に金券を配布し、購
買を奨励することにより、物の流れ・金の流れを良くして景気を刺
激しよう、というものだったはずにも関わらず、その目的を見失っ
たのか、「景気を刺激する」という、本来の目的にはそぐわない人
達を対象としてしまったが為に、結果は出ませんでした。
散財というものは、どういう人が行うのか?
という視点に立って考えれば、直ぐに分る事であるにもかかわらず
お金を配るのであれば困っている人に配る方が良いという、
目的意識を見失った人々の意見を取り入れて実施してしまった
のが、一番の問題だと言えるでしょうね。
それから、”おつりの出ない一回限りの金券”というものの、使い
にくさも問題として挙げられますね。
一回限りの金券ですし、お釣りがもらえないのですから、自分が
どの位使っているのかは一目瞭然です。しかも、一回限りしか使
えませんから、それを使えば、後は、いつもの生活に戻るだけだ
と、大方の人が考えてしまいます。
それでは、散財意識は刺激されにくくなってしまいます。
やはり、お金を使い慣れている、経済的に余裕のある世帯にお
金を使わせなければ、景気を刺激するまでには、ならないので
はないでしょうか?
景気対策と格差救済を一緒に考えると、地域振興券の二の舞になって
しまうと私は考えます。
のんびり使う必要はありません。今回の定額給付金は、短期の経済回
復を狙っての案ですから、皆が使ってくれるのであれば、それでいいん
だと思います。
その後に続く中期案や長期案にうまく繋がるのであれば、経済対策とし
ては成功だということになるでしょうね。
ただ、まだ、中期案や長期案どころか、短期案としての定額給付金でさ
え、審議にかけられる状態ではないようですので、正直、どうなるんだか
とは私も思っています。
>景気悪すぎますから。
私たち日本人は、日本が不景気だと言いますが、諸外国にとってみれば
「それが不景気だとすれば、輸出して欲しい」と言わしめるほどの景気な
のですから、日本人は、好景気に慣れきってしまっているんだと思います。
自分のやりたい仕事を選べたり、キツイ汚い安い仕事を嫌がったりでき
る今の状況では、なんと言いますか、甘えがあるんだと思いますよ。
>アフリカやドコやらにもお金を撒いていますが
ただ、お金をばら撒いているわけではないですよ。
今、日本が経済援助を行っている国は、やがて、日本の顧客となって
くれます。だから、融資を行っているのです。
>国の借金が、心配です(^^
借金のない国なんてありませんから、経済が回らなくなる方が私は心配
ですね(^^
「金で尻尾振れるか~!」とは思いますが
今回の現金の支給と言う響きには
正直、嬉しくはあります。
(関西人の「もらえるものはもろとこ」精神?)
事実、一日も早くお金の必要な方も
いらっしゃいますでしょうし、
税金払ってるのに何でもらえない。
と仰る方もいらっしゃいますでしょう。
ある程度、ばら撒き状態は致し方ないでしょうが
直接的な景気対策には結びつかないでしょう。
消費税を3年後にあげる。やら
世界中で景気の悪い話ばかり。
のんびり使う。気持ちになれるでしょうか。
物価も上がっていますし。
今回の話は、景気対策と言うより
直接的な救済策だと、思います。
あまり発表されていませんが
多数の自殺者や失業者に対する
急場しのぎではないでしょうか?
と、陳腐ですが 自民党の選挙対策。
景気対策としては
「焼け石に水」いえ、砂漠に目薬でしょう。
景気悪すぎますから。
アフリカやドコやらにもお金を撒いていますが
国民に跳ね返ることを考えると・・・
国の借金が、心配です(^^
そうですね、政治的な急務は多くあり、どれも優先順位を決められない状況の
中で、何が出来るのか?何を目的とするのか?という視点を持たなければ、
あれもこれもと一緒くたにしてしまうと、結果が出せず、それこそ無駄金となって
しまうんですよね。
>やっぱり独身の男性とか女性とかかな?
だと思います。生活費は最小限で抑えられ、かつ、自身の好きに使えるお金を
もっていますので。
それから、お金を自由に使える、という点では、後、退職世代も見逃せない
でしょうね。実際、自身の趣味や旅行、孫や子供へと散財していますから。
強い信念と、十分な根回しなどがあって、ようやく政治がうまく進められるという感じでしょうか。
散在する人か~、やっぱり独身の男性とか女性とかかな?
学生卒業すると一気にお金が入ってきていろいろ買っちゃいますからね~
事実僕がそうでしたw
>確かに、前回の給付の制限は、
>今となっては、正解だと思われます。
これは、”流通経済のテコ入れになった”、とのご意見でしょうか?
それとも、”格差救済になった”とのご意見でしょうか?
残念ながら、「地域振興券」では、そのどちらも成果を残せませんでした。
景気対策をお題目に挙げながら、対象者は格差救済目的としたことで
”二兎追う者は一兎も得ず”となってしまったのです。
これが、天下の愚策とまで言われている所以です。
今となっては、正解だと思われます。
しかし、今回のは、単なるバラマキ。
お金はあるところから回さないと。。。
消費が冷え込んでいるので、何をするにも暖めないといけませんね。