Nicotto Town


陽猫のいろいろ


温室ガス中期目標

昨日の夕方に発表されたニュース。

正直言うと、いまいち判断がつかない話です。

確か、「京都議定書に基づき、2012年までに、1990年から
見て温室効果ガスを6%削減することになっている」
という前提があり、
2013年以降のことは、まだ、話し合っている最中で、目標値も
未定なのですが、福田前首相時代に発表された、福田ビジョン
というものがありますから、それによると、2050年までに60%~
80%減という目標数値を掲げているそうです。
それが、国際社会への温暖化問題に対する、わが国の所信表
明になっていますので、日本政府は、その数値実現に向けての
取り組みをしなければ、ならないという状況なのですよね。

その前提を踏まえて、
日本は、1990年から2005年までの間に、減らさなければなら
なかった、温室効果ガスの排出量を、逆に増やしてしまっている
んです。
そんな中で、1990年から見て、当初の目標値どおりにやるとな
ると、とてもじゃないけど出来ない、無理。という試算が確か出て
いたんですね。

それで、最終的(2050年)に1990年からみて60%~80%減
らせば良いのだという発想の転換を行って、かつ、乗り遅れてい
た、国際的な温暖化対策産業に乗り出して、これを景気回復の
足がかりとしても利用しよう、というのが、どうも、今回の温室効果
ガス削減の中期目標発表らしいのです。

それは、良いんです。どっちみち、京都議定書に基づいて、温室
効果ガス削減はやらなきゃならないんですし、温暖化対策産業
へも参加しなければ、他国から搾取されるばかりになるんですから。

私が、心情的に納得出来ないのは、原子力発電分も試算に入っ
ていることなんですよね。(もちろん、政府事業としては当然の
選択肢なのですが、それを分かっていてもって話です。)

今現在、まともに稼動する事すら出来ないほど、いろいろな問題を
抱えている原子力産業に、これから力を入れても、負の遺産を増
やす事になるのは目に見えていますでしょう?
また、そちらの運動家からの批判が相次いで、またもや大局を
見誤らせる事につながるんじゃないか、という懸念が拭えないん
ですよね。


http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090610-OYT1T00801.htm
--------------------------------引用開始
温室ガス中期目標「05年比15%減」…首相が発表
 麻生首相は10日、首相官邸で記者会見し、2020年までの二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス削減の中期目標を「05年比15%減」とすることを正式に発表した。
 これまで政府が軸としてきた「05年比14%減」に、追加景気対策に盛り込んだ太陽光発電普及策などで削減幅を1%上乗せし、米国の「05年比14%減」、欧州連合(EU)の「1990年比20%減」(05年比13%減相当)をわずかに上回る目標を打ち出した。
 首相は記者会見で、「100年に1度という経済危機の中でも、地球温暖化対策の手を緩めてはならない」と述べ、中期目標の設定では「環境と経済の両立」に配慮したと強調した。
 京都議定書に続く13年以降のガス削減の枠組みについては、「主要排出国である米国、中国なども参加するものとしなければならない」と指摘した。
 「15%減」は、省エネなど国内での削減努力を積み上げた「真水」のみで、海外から排出権を購入する「排出量取引」や森林による吸収分は含まない。
 首相は、今回の数値は「本格的な国際交渉に向けた第一歩」だと述べ、米国やEUなどとの交渉では、必要に応じて「真水」以外を含む数値も提示する考えを示した。
 政府の試算では「15%減」を達成するための方策を講じた場合、20年には1世帯あたり年間約7万6000円の負担増となる。経済への影響も大きく、中期目標に近い05年比14%減のケースでは、実質国内総生産(GDP)が0・6%押し下げられ、失業率が0・2%悪化する。
 温室効果ガス削減の長期目標について政府は昨年、「2050年までに60~80%削減」を打ち出している。首相は、原子力や革新技術の開発・普及に加え、中期目標を達成すれば、「50年には(05年比)約7割減につながる」と述べた。
(2009年6月11日02時11分 読売新聞)
--------------------------------ここまで

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2009/06/15 08:30
こんにちは、DAIさん。コメントありがとうございます。

>燃料とかこの辺は、技術と投資が産業の成否や盛衰を決定するのであって、
>真理というのは、人の知らない未知にあるのではなく、経済的利便性と、物質
>を媒介とした経済的せめぎあいにあるようです。

DAIさん目線の「真理」解釈、面白いと思います。
私にはない感覚なので、自分の中でうまく消化出来ないのですが、今度、
じっくり考えて見ますね。
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2009/06/12 21:51
詩蘭さんのコメント
>テクノロジー絡みの長期目標というのは、
技術発展自体とそこに纏わる投機要因に、左右されざるをえないですよね。

というのを読んでいて思ったのですが、

昨日その、メタンなど炭化水素化合物を調べていて、高校生のとき科学でやった話がばっちり出てきて、驚きました。
高校生の頃、モノの性質を説明するのに、なぜ普段身近でもないメタンとか炭化水素系をやるのか思いっきり不思議でしたが、
科学→化学は、真理の学問かと思っていたのですが、経済的価値判断の学問でもあったようです。

燃料とかこの辺は、技術と投資が産業の成否や盛衰を決定するのであって、真理というのは、人の知らない未知にあるのではなく、経済的利便性と、物質を媒介とした経済的せめぎあいにあるようです。
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2009/06/12 21:38
研究段階です。北海道大学と清水建設というところが、引き上げられたくらいの話らしい。

>そして、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分だ
といわれていますが、大気中のメタンは、温室効果が二酸化炭素の3倍
だといわれていますから、どうなんでしょうね

さすがひなたねこ。知らなかった。

↑を書いた後、ネットでメタンハイドレードけっこう調べましたよ。
温室効果は3倍よりも高く書いてあるのもあるみたい。

じゃ、温室効果ってなんだろうか・教科書的なことは知ってるけど、メタンでなるんかね。
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2009/06/12 08:19
こんにちは、dingoさん。コメントありがとうございます。
太陽光、風力、水力、地熱、など等いろいろありますが、大規模ではなく、
小規模発電システムという発想で、システム構築ができるのであれば、
どれも、有効な発電システムになると思いますよ。

>そーいえば、クリアなソーラーパネルが出来つつあるらしい。
>ビルのガラス面に全てはれば・・・かなりのエネルギーができるよねw
すごいですねー。
そうなったら、昼間の電力は自前で賄えるようになるわけですね。
設備投資の問題もありますが、なんだか、未来技術って感じですねw
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2009/06/12 07:51
こんにちは、詩蘭さん。コメントありがとうございます。
>技術発展自体とそこに纏わる投機要因に、左右されざるをえないですよね。
うん、そうなんですねー。

>原発への危惧も陽猫さんに賛成w 
>推進派も運動側も、アレに関しては、
>対象が大きいせいもあって従来の自分たちの姿勢に固執しがちだものねぇ。
ええ、それが、本来の問題をないがしろにしてしまう要因なのですが、
本気で取り組むと、周りが見えなくなるんだろうと思います。

>代替エネルギーに関しては、民意のレベルが急上昇したことは、
>大きなプラス要因だとは思えます。
>その内実はイイカゲン、であってもwね(^^)
あはは。そうですねw
民意レベルの急上昇っていっても、まだ大半は、イメージに乗っかっているだけ
ですからねー。
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2009/06/12 05:45
うんうん、
原子力は、魅力的な物だけど、リスクが大きすぎる!
最近多くなった風力発電は、風切りの低周波音による傷害が危惧される!
複数の設置によって、共鳴も起きているようだ。
私は、ソーラーパネルもいいと思うが、日本では、地熱や波力の利用効率が最も高いと
思っています。

そーいえば、クリアなソーラーパネルが出来つつあるらしい。
ビルのガラス面に全てはれば・・・かなりのエネルギーができるよねw
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2009/06/12 01:00
テクノロジー絡みの長期目標というのは、
技術発展自体とそこに纏わる投機要因に、左右されざるをえないですよね。
どの技術に関して、先にブレイクスルーが起こるか?
電子技術でも、今日の携帯普及の実態など15年前には予想しきれていなかったし、
アメリカの三大自動車も、今世紀初頭、今の状態を“本気で”危惧してはいなかったのだろうし。

原発への危惧も陽猫さんに賛成w 
推進派も運動側も、アレに関しては、
対象が大きいせいもあって従来の自分たちの姿勢に固執しがちだものねぇ。

代替エネルギーに関しては、民意のレベルが急上昇したことは、大きなプラス要因だとは思えます。
その内実はイイカゲン、であってもwね(^^)
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2009/06/11 23:19
こんにちは、DAIさん。コメントありがとうございます。

>日本はもっとメタンハイドレードに本気で取り組むべきです。
日本の周りに沢山あると言われていますものね。
でも、発掘技術が、まだ、研究段階だと聞いています。

そして、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分だ
といわれていますが、大気中のメタンは、温室効果が二酸化炭素の3倍
だといわれていますから、どうなんでしょうね?
(このアタリって、専門家でも意見が分かれていたような気がします)

とはいえ、有効なエネルギーであるなら、研究開発に手を抜いてほしくは
ありませんよね。
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2009/06/11 22:41
目標が野心的なのはいいですが、ぜひ達成してもらいたいです。
環境経済は、いわば経済の静脈で、発展繁栄をフィードバックしてゆくという意味では、進めていって欲しいもんです。

エネルギー関連の国は、今後所詮利用量が下がるならと、減産などなりふりかまわず、価格維持に動くと予想しています。
円が1円上がるのと、石油が1,2ドル上がるのは、同じ効果を及ぼしますが。

やはり味噌となるのは、車にしても家電にしても燃費の改善と、自然エネルギーの利用と思う。
なぜかというと、充電技術や電気自動車にしても、電気の料金が上がってしまえば、同じです。充電技術は、燃費の改善のため[地理的時間的消失に対する改善]と考えたほうがいい。

電気は送電線で3割消失しており、さらに電気の7割は重油で発電しているので、この値段が上がれば、節約分を資源屋に
もってかれるのです。

日本はもっとメタンハイドレードに本気で取り組むべきです。





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