Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


きらきら、彼岸花 その2

仮想タウンでキラキラを集めました。

2020/09/28
キラキラ
集めた場所 個数
おしゃべり広場 5
展望広場 7


きらきら、展望、おしゃべり。四択、COWCOW


(週末に府中市郷土の森博物館に行ってきました、その続きです)

 家の近くで、彼岸花が咲き出した。お寺、公園、野川の土手、まだ花芽が伸びたばかりのものもあったが、満開になっているのも見た。
 ああと心がざわつく。この花たちが、府中市郷土の森博物館内の彼岸花たちの見頃を教えてくれる。
 土曜日に雨の中、出かけてきた。すこし前まで、真夏の暑さが続いたのに、長袖一枚では肌寒いぐらいだ。マスクをしているので、眼鏡が曇る。季節が変わってゆく。
 府中市郷土の森博物館は、うちから車で十キロぐらい。多摩川沿いにあるので、基本多摩川を遡ってゆく感じ。多摩川の土手で、彼岸花の花芽が伸びているのを見た。咲いているのも見た。川は水量が増している。
 道は土曜日だったからか、幾分混んでいたが、公園の駐車場は空いていた。入口前に物産館がある。前来たときは、そのあたりにキッチンカーなどが数台停まって営業していたのだが姿がなかった。
 雨のせいか、そればかりではなかっただろう。人が少ない。コロナウイルスの影響が、園内でも、あちこちで影を落としていた。出店がないこと、体験コーナーの休止、長らく触られていないことがわかる、雨に濡れた木の加工品たち。
 たしか前に来たときは、入口でマップをもらったような記憶があるのだが、それも行われていなかったので、どこに彼岸花が咲いているのかわからない。適当に歩いていると、まず数本、咲いているのを、そしていきなり白い彼岸花、シロバナヒガンバナの群生に出くわした。それにまじって数本の赤い彼岸花たち。白いほうが若干開花時期が早いようで、こちらは今が盛りと群生していた。ああ、咲いている、うれしいと素直に思った。シロバナヒガンバナ群生のすぐ近くの一角が、赤い彼岸花の群生地だったが、こちらはまだ花芽が伸びてきたばかりのところが多く、見頃は来週ぐらいだろうか。それでも、三分咲きぐらいになっていて、これで充分だと思った。群生している真っ赤な姿が想像できた。ああまるで巾着田のようだと、思ってしまう。
 彼岸花の群生しているところは梅の木の下でもあった。彼岸花は花が終わると線のような葉がでてきて、夏に枯れる。梅の時期にはその葉たちが密集してあるはずなのだが、梅を見に来ていたときは、ほとんど気づかなかった。そのことを我ながらおかしく、勝手だなと思う。
 さらに群生地のとなりに田んぼがあることに気づいた。田んぼの土手のまわりにも白い彼岸花、赤い彼岸花たち、そして案山子たち。
 こちらも梅を見に来ていた二月はまだ水すら張ってないから、気づきにくいのはわかるが、以前アジサイを見に来たときは、田植えがなされていたはずなのに、今まで眼中になかった。もう稲穂を垂れて、収穫も間近といった面持ち。わたしは何を見てきたのだろう。でも気づくことができてよかった。
 彼岸花の群生地に、彼岸花を紹介する案内の立て札があった。「当館では、埼玉県日高市の巾着田にならって、一面を埋め尽くす見事な花模様を意図して植栽しています」。
 わたしが巾着田を思い出したのは、こんなことたちにもよるのだった。ここに来てよかった、導かれたのかとも思った。
 そのあと、樹木の化石、珪化木がまるで、切り株がそのままそこで化石になったように展示(配置?)された場所にゆく。近くには東京国立科学博物館から寄贈されたティラノサウルスの模型がいる。珪化木は約七〇〇〇万年前のもの、恐竜は作り物だが、こちらも八〇〇〇万年から六五〇〇〇万年前ということで、時期は接している。
 わたしは珪化木をここで知って、好きになった。古い植物の営みのあかし。博物館本館で、小さな珪化木を以前購入したことがあり、いまも家で大切に飾ってある。本来、植物は水を含んでいるから化石になりにくい。なのに、残ってくれた。
 梅の咲く時期にはネコヤナギたちが咲いていたなと記憶されるハケ下の流れを再現した場所、やすらぎの池へ。ネコヤナギたちは、開花時期ではないので、梅の頃の彼岸花のように、もはやわかりにくい。あたりを黄花コスモスが咲いていた。そして池では睡蓮。大きな真鯉が泳いでいる。
 最後に入口近く、出口近くということでもあるが、本館の展示室、企画展会場は閉ざされていたが、府中の歴史を展示した常設展へ。だが、勝手な見方をしてしまう、縄文時代の出土品たちが目当てなのだった。「府中で一番古い縄文土器」(縄文時代草創期・約一万三〇〇〇年前、本宿町遺跡出土)は土器片だったが、文様がわかり、土のもつ力が感じられた。なにかしみわたるようだった。
 そして縄文時代中期(約五〇〇〇年前)の縄文土器たちの展示。本宿町遺跡、清水が丘遺跡、武蔵台遺跡、武蔵台東遺跡、これらからの出土品たちが、見応えがあって、好きな展示だ。ここからも土の力をいただく。
 武蔵台東遺跡出土の「コウモリ形の釣り手土器」(縄文時代中期)の、吊り手のてっぺんにある不思議な動物。コウモリではないかもしれないそうだが、豚(この時代だとイノシシだろう)のような大きな鼻、くぼんだ眼窩で表された眼などが、こわいようで、けれどもどこか親しみがある。本宿町遺跡出土の土偶たち。「まじないの道具」として紹介されていたが、その言葉からあふれてしまうものたちが多すぎる。それほど、多彩ななにかを含んでそこにあった。
 そのほか、時代はちがうが、旧石器時代、約三万五〇〇〇年前の黒曜石の石器(武蔵台遺跡)のガラス質に黒光りする営みの足跡に心がさわいだ。
 これらの展示はもう何度かみているのだが、改修工事で、しばらく見ることが出来なくなる、あるいは、コロナウイルス関連で、しばらく見ることができなかった、そうしたことが関与しているのかもしれないが、以前見たときよりも、心にしみた。
 まだ、雨が降っている。彼岸花は来週ぐらいには見頃になるのだろうか。

(この項おわり)

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