御一行とトドワラ。
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2009/10/15 21:42:14
久々の旅日記シリーズ。
なんだか毎週川湯と斜里と厚岸に通いつめていたので、どこにどのコースで行ったかもわからなくなりつつあるこの頃。
そんな中、たぶん1週間前にやった御一行の思い出を書こうと思います。
御一行(ごいっこう)ってのは貸切団体のことねー。
バスのステッカーとか宿の歓迎板とかに「○○家御一行様」って書かれるじゃない?
それでそう呼ぶんだけど、要するに一般募集をかけた客のいない、仲間内だけの旅さね。
慣れるまでちょっと大変。
一つ一つに幹事さんのご意向を伺わなきゃならないし、仲間同士だからその時の気分で行き先が変わったりもする。
添乗員が旅程を管理できない旅なんだよねー。
その代わり上手にやってお気に召してもらえると、次回以降のご指名があったり、ご祝儀がもらえたりって特典もあるけど。
正直アタシはあんまり得意じゃない系統の仕事です。
今回もイヤだイヤだと思ってたので、直前まで仕事の中身を見てなかったの。
前日になって行き先確認したら「野付湾クルーズ」とな。
…本気ですか…?
野付湾クルーズってのは、別海町の尾岱沼~トドワラ中腹まで船に乗るコース。
まずは片道30分間の乗船で野付湾をゆったりクルージング。
かなりの高確率でアザラシの群れに会えるんだよー。
初夏と秋口にはシマエビ漁をする「打瀬船」も見ることができるの。これ北海道遺産。
ちょっと船の音がうるさいけど、船内アナウンスで野付小唄も聞けるし、のんびりした船旅でいいんだよねー。
ここまではいいさ。
問題はその先だ。
船が着くのはトドワラの真ん中辺り。
もちろん往復乗船もできるけど、やっぱりトドワラまで来たらそこを見なきゃってことで、観光バスの場合は大半がトドワラ散策をしてる間にバスを回送させて、トドワラでバスに再度乗るっていう片道乗船の方法を取ってます。
トドワラの散策に必要なのは約30分。
そのうち後半15分はどうしても無理なら馬車が使える。
だけど前半15分は這ってでも辿り着かなきゃ決して帰れないってわけ。
でもたかが15分よ?距離にしたら1kmぐらい。
もちろんアタシだって何度も行ってるし無事に帰ってきてるし。
なぜ今回に限りこんなにビビったか。
それは今回の御一行の名前を見てしまったから。
「シルバー○○会御一行様」
どう見てもジジババ御一行様です。ご予約誠にありがとうございます。
途中で力尽きて倒れても知らんよ…本気で。
トドワラってのはトドマツの墓場。
立ち枯れってヤツなんだけど、砂州の半島が海水に浸食されて、トドマツが栄養を吸うことができずに枯れてしまったものなの。
本当はトドマツの原っぱって意味でトドワラっていうんだけど、枯れて葉っぱのなくなった松の木はまるで墓標みたいに見えるのね。
それで墓場って言ってるんだよね。
おんなじようにナラワラっていうのはナラの木の墓場。
でもさー相手はシルバー様よ。
案内しようにも「墓場」とか「墓標」って言葉うっかり使えないじゃん!
一生懸命アタシが遠回しに遠回しに言ってるのを聞いて、横でドライバー大爆笑。
せっかく車内でめちゃくちゃ気を使って話してたのに、船に乗った瞬間船内アナウンスが堂々と「墓標」と言ってました。そうですよねー。
それでも何とか体をひきずりつつシルバー様は全員辿りついた。
ほっと一息。
ついたのも束の間、幹事さんが
「それじゃあ最後にマッカウス洞窟へ行きます」。
…あのーそこ崖崩れで数年前から入れません…。
御一行ってのはほんとに大変です。ふぅ。
人をつついて楽しむのは頂けません。いつか復讐します。
楽しんでるみたいですね。
「墓」を言いかえるのってとっても難しいですよー。
「慰霊のシンボルのように…」とか言いました。何のことだか自分でもわかりません。笑
○shinさん
言いだしっぺはドライバーなんですよー。
「お前今日墓って言葉使うのマズイんじゃないか!?」って。
一応年長者だからと思って従ったっけ、いざとなったら大爆笑ですよ。自分で言い出したくせに。
腹立つから酒おごらせてやりました。あ、アザラシはゴミのように小さく見えました。
○光源氏蛍さん
野付はベスト10の中の何位ぐらいなのか、1位はどこなのか気になりますねー。
やっぱりシマエビ漁の時期に来られるのがいいですよ。
ちなみに野付湾クルーズに乗ると、トドワラのお土産物が10%OFFで買えます。
どうでもいいですね。
ご一行様」の旅行記で野付湾クルーズと言うのがあることを知り、とても興味深かったです。
貴女が一生懸命「墓標」のトドマツの墓場「トドワラ」の説明をしているのを、横で運転手が
大爆笑というのは、何か現場を彷彿とさせてくれて、思わず私も笑ってしまいました。
貴女が悪戦苦闘する様がまるで目に見えるような旅行記、やっぱり面白いです!
「どう見てもジジババ御一行様です。ご予約誠にありがとうございます。
途中で力尽きて倒れても知らんよ…本気で。」
この辺が愉快で、思わず笑ってしまいます。
御一行様のお仕事、お疲れさまでした!
印象的な風景なのでしょうね。
「墓標」も言うほど気にしないんではないかと思いますが、
自分もまだその歳ではないし・・・、難しいところですね。
アザラシ君には出会えましたか。
ご苦労様ですw