お客さんを連れていかないから楽だと思っていたのに。
母親だけ乗せた個人旅行だから楽だと思っていたのに。
なぜいつもこんな目に遭うのか。
そんな恨み言さえ出てくる楽しい沖縄個人旅行の思い出。

1、2日目はほぼ順調。
ひめゆりの塔には行かず、塔の前の売店でサーターアンダギーを買うためだけに寄り道したがために、沖縄ワールドのエイサーショーが終わっちゃってたぐらいのもんで。
それでも1日目目玉の沖縄ワールド、2日目目玉の美ら海水族館を周り。
とてもリアルな迫力のあるシーサーを作って、とっても楽しく過ごした前半が終わりました。
事件は3日目に起きるんだ！

3日目は絶対団体ツアーで行かないようなところへ行こう、って思って。
やんばるにある、ヤンバルクイナに会えるかもしれない森っていう場所に行ったの。
でもなんだか、行く前から車がゴトゴトいう。
母親に訴えたら「荷物の音だ」っていう。
とりあえず信じてそのまま行ったら、台風接近のため休園中だって。
1時間40分もかけて来たのにー。
仕方ないから帰ろうとすると、震度5ぐらいの揺れがする。
絶対おかしいって！って言って降りて点検したっけ、パンクさ。
えぇぇ。ここやんばるの山の中だよ？
人なんていないよ？
民家なんて30分ぐらい走らないとないよ？

もちろんスペアへの替え方はわかる。わかるんだけど。
問題は固さだよねー。
自分で締めた自分の車なら自分で開けれるけど、インパクトで締めたレンタカーなんて絶対アタシの手じゃ開かない自信あるもん。
でも山の中で泣いても文句言ってもしゃーないし、ジャッキかけて上げたところへ。
奇跡。
事故処理に来た帰りに偶然道を間違えた自工の工場長なる人物が通りかかる。
アタシでさえ迷わない沖縄、どうやって道間違えたんだろう。笑

その間、一応レンタカー会社にも電話で連絡してるわけだけどさ。
この役に立たないことったらこの上ない。
「事前にサインをして頂きました通り、パンクは当社の規定で保証外となっておりまして、お客様のご負担で直して戻ってきて頂くか、あるいは最終日までスペアタイアでお過ごしの場合には、当社の規定料金をお支払い頂いて当社でお直し致します」
うん、いいから。
今困ってるこの状況に対して何をやってくれるのかって聞いてんの！
それだけ金にごねるお客さんが多い証拠なんだろうけどねー。
あまりの頼りなさにがっかりしちゃった。

魔法のように現れた工場長はあっという間にタイヤを替え、さらにパンクしたタイヤを自社へ持ち帰り、直してくれた。
料金、たったの1000円。
「わざわざ行ったんじゃなく、たまたま通りかかっただけだから」だって。なんて男前。
あれだけレンタカー屋にぶつぶつ言われたあとだっただけに、余計に素敵でした。
よくジャッキの場所わかったねぇ、この車みんな分からないんだよってびっくりされたけど。
いえたまたま愛車と同じ車種だっただけです。そりゃ当然わかります。
あなたが通りかからなかったらナット開きませんでしたよ、神様仏様工場長様。
このドラマのような展開に、恋に落ちるべきだと思ったけど、ハゲ頭のおっさんでした。残念！
後でじゃがぽっくる買って送ります。

つづく。