まぁ夏の沖縄で波乱と言えば台風なわけですが。
人間誰しも自分は大丈夫だろうと思って生きているわけで。
ツアーに出て帰れない率NO,1を誇るアタシでさえそんなことを思って生きているわけで。
今回の記録更新により「お前の作ったシーサーは、天災にはまるで効果なさそうだ」と言われてしょんぼりしているわけで。

前回の続き、見事パンク騒動から復活したアタシたちは、北部を諦め那覇に向かった。
が、その時既にかなりの強風が吹いている。
コンビニ以外はほぼ閉店、スーパーなんかも閉まっちゃって、お昼ゴハンを食べれるところを探すのにも一苦労さね。
当然ながら観光施設はほぼ全滅のため、さっくりホテルに向かった。
今思うとこの時1回空港に行っときゃ良かったのかもねー。

いよいよ最終日の朝。
本来は首里城を見学して午前中にフライト、羽田経由で午後には北海道に着いているはずだったその日。
全便欠航ー。
ありがとうございました。
ここ数年の台風は本土に上陸することなかったのにな。
予想の範疇ながら、航空会社への電話なんてまるで通じないし。
団体用の直通回線番号は知ってるけど、個人旅行でそれ使うのも職権濫用甚だしいと思ったし。
レンタカーも持ってたってどこも行けないんだから返したかったし。
とりあえず車返して空港行ったの。

その時までは、まさかそんなにお客さんいると思わなかった。
この状況なら臨時便出すだろうし、翌日には帰れるだろーとか思いながら空港行ってみたっけさ。
特別空席待ち整理券番号、2400番。
えぇ！？そんなにいるの…。
まぁ最終的には4000番台まで配布されたから、まだ可愛い方だったんだろうけどね。
空席待ちじゃない方の正規予約は、なんと本来のフライト予定日の3日後だと言われた。
会社クビになるって。

その日はもう全便欠航が確定してるから、ひたすらホテルでゴロ寝。体力を溜め。
勝負は翌日！
丸1日空港で待機し、キャンセル待ちが呼ばれるのをずーっと待った。
朝7時台から待って待って待って、お昼の時点で1000番までも行かない。
それでも待って待って待って。
テレビでよく見る、あの風景の中に混ざってとにかく待った。
それでも朝7時に行った甲斐があって、背もたれのある場所で待つことができたのが幸い。
8時台に来た人たちはみんな床にビニールシートや新聞紙を敷いて。
9時台に来た人たちはそんなスペースもなく自分の持ってるトランクケースの上に座って。
10時台に来た人たちはもう立ちっぱなし。
そんな人たちを横目に、アタシたちは花札なんぞしながら呑気に待ってました。

もうね、その日に飛ぼうって意志はほとんどなかったんだよね。
全日空は臨時便5本くらい出したらしいけど、さすが赤字の日航、2本しか出さないし。
その臨時便2本が飛び終えた時点で、1500番まで行ってなかったし。
その日のホテルも抑えてあったし。
もう諦めの境地で、焦りはまるでなかった。
ただ最終まで待ったら何番まで行くかを見て、明日何時に来るかの判断材料にしようと思って、ずっと待ってただけなんだけどさ。
やっぱり諦めない者は勝つらしい。
臨時便2本が飛び終えた20時、朝から来て立ちっぱなしで待ちくたびれた人たちのほとんどが帰ってしまったらしい。
そのあと残っていた定期便3便の空席がどんどん呼ばれていくの。
2000番まであっという間に呼ばれてさー。
え、これ飛べるんじゃない！？と思う間もなく、2400番の呼び出し。
時刻は既に21時を回って搭乗手続き、実際に飛んだのは22時半を過ぎてからだけど、もうこの島出れるなら何でもいいよ！

東京羽田に着いたのは深夜1時を過ぎてからでした。
しかも翌日、アタシの地元空港に帰れる便は全日満席。
千歳に振ってもらって、羽田空港で夜明かしして、千歳からJR経由での手段しかなかった。
それでもいいから帰りたかった。
JRの車窓から、戦闘機が飛んでいくのが見えました。
あーあ、この航空ショーツアーに来るはずだったのに。
なんでアタシはサンダルにワンピース姿で朝9時から千歳にいるんだ。