言っちゃいけないことだろうけど、時々ある。
今日も1件発覚したのよ。予約漏れ。
なかなか防ぎようがないんだよねー。
というのも、忘れてて漏れたっていうのはまずない。
電話聞きながらその場でパソコンに打ち込んでるからね。
最後にパソコン上で出てくる番号をお客様にも控えてもらって完了だから、入力忘れてるってことはない。
稀に電話切ったあとで全消ししちゃってぎゃーって叫ぶ新人さんはいるけれど。
そういう時でも人数くらいは覚えてるもんだから、名前わからなくても人数分確保しとくぐらいの対策は打つし。
そもそも最近新人いないからそんな凡ミスは今更誰もやらない。

じゃあ何で漏れるかっていうと、お客様との意志の疎通がなってなくて漏れる。
お客様の方は予約のつもりの電話であっても、ウチの方はただの空きの問い合わせだとしか思ってなかったりするケースがほとんどを占める。
そこまでわかってて漏れるのか、と言いたい人もいるでしょう。
漏れるんですよ。
高齢のお客様って聞こえない時に適当に返事したりしちゃうんです。
もちろんこっちだってわかってるから、そういう時には敬語も何もあったもんじゃなく「今はまだ予約はしてませんよ！！奥さんに聞いてみてから、予約するならもう1回電話してね！！」ってでっかい声で叫ぶわけだけど。
お客様はうんうん、って相槌をうちながら、それでも本人はもう予約完了したつもりであったりする。
恐ろしいことこの上ない。

そういう口約束がおっかないから、業法上はお金のやりとりがあって初めて契約成立することになっている。
だから漏れが発覚したところで「契約成立してません」って言えばそれまでのこと。裁判したってウチの勝ち。
でもそれじゃマズいでしょ？どの業界でもさー。
まずは申し訳ございません、で今できることを精一杯やりまして再度ご回答差し上げます、になるわけよね当然。

そんな経緯で今日は後輩たちに泣きつかれまして。
お客様はホテル予約したって言ってるのにそんな予約はどこにもない！と。既にその日のホテルは満室だ、と。
でも下っ端のアタシに泣きつかれてもなぁ。
できることと言ったら代わりに泣いてやることぐらいだよ。うぇーん。
それでも何もやらないよりマシか、と思って泣いてみた。
どうしようもないんです、とっても困ってるんですーってホテルの偉い人相手に泣きついてみた。
仕方ない、満室だけど何とかしてやるよっていう回答を頂いた。わぁい。
OKもらった瞬間に、相手の気が変わらないうちに電話も切ってしまった。
まぁ御礼の口上をぐだぐだ並べるよりかは、その分多く送客した方がよっぽど恩返しになるべさ。
諦め早いけどやれるだけの手は打つ、とにかく早いがとにかく雑なのがアタシという人間である。

一方アタシの可愛がっている妹分(カール・レ右衛門事件参照)は、とにかく丁寧でとにかく遅い人間である。
アタシが泣き落としを試みている間何をしていたかというと。
これまで取ったホテルの予約を全部ひっくり返して探していた。
うん、確認するのはいいんだけどね。
何回おもちゃ箱ひっくり返してみても、そもそも購入していないおもちゃは入ってないんだよー？
そして全てが片づいた頃、彼女がぽつりとつぶやいた一言。
「私、もう5年も勤めているのに、どうしてゴネる能力が上がらないんでしょう」
ゴネる能力ってなんだ。笑
やっぱりアイツはおもしろい、と思った今日の一騒動です。