民主主義のチェック機能
- カテゴリ:ニュース
- 2009/03/05 09:51:44
小沢氏は、釈明会見で、地検特捜部による自身の第一秘書逮捕は、
「民主主義の危機」だと言った。
小沢氏言い分は、今、政局で民主党に有利な時に、法律にはあっても
今まで活用されていない容疑で、自身の第一秘書だけが逮捕されると
いうのは、権力の横暴だというのだ。
つまり、他にもやっている議員もいるんだから、自分だけがターゲットに
されることに、「民主主義の危機」だと言っているのだ。
実にばかばかしい話だと思う。
今回の事件は、政治家と献金にまつわる、公然と行われてきた違法
行為に対して、地検特捜部の地道な捜査によって、やっと表面化した
という話にすぎないのだ。
これを、「民主主義の危機だ」とするのは、論理のすり替えだろう。
今回の小沢氏発言に対して、記者の目から、苦言を呈している記事を
見つけたので、今日は、こちらを紹介したい。
--------------------------引用開始
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090305/plc0903050250001-n1.htm
「民主主義の危機」ではない 小沢氏秘書逮捕に思う 論説委員・皿木喜久
2009.3.5 02:49
話は33年近くも前の昭和51年7月27日早朝にさかのぼる。
大阪本社社会部の宿直室で電話番をしていて「田中角栄が検察に引っ張られたぞ」という東京からの電話でたたき起こされた。
ロッキード事件で田中元首相が東京地検に逮捕された朝である。事件に強いはずのデスクが狼狽(ろうばい)して「(逮捕)令状はあるのか」と叫んでいたのを思い出す。
混乱はそれだけで収まらなかった。まず号外を発行することになったが、原稿がどこにもない。
事件は5カ月以上前、米上院で明らかになっていた。ロッキード社から多額の工作資金が日本の政府高官らに流れたという。何人かの名前が取りざたされていたが、田中元首相を予想したマスコミ関係者は誰もいなかった。
金権問題で首相の座を降りたとはいえ、「鉄の結束」を誇る田中派を率い、絶大な権力を握っていると言われた。そんな権力者に検察が「お縄」をかけるなど、誰にも想像できなかったのである。
おかげで号外の原稿はロッキード事件のロの字も知らない私に回ってきた。記者生活でも最も鮮烈な思い出だ。
かつてその田中元首相の秘蔵っ子と言われた小沢一郎民主党代表の第1秘書が逮捕された事件の衝撃もあの時に劣らなかった。
小沢氏の場合、逮捕されたのは秘書である。容疑も元首相のような受託収賄ではなく、より形式的な政治資金規正法違反だ。だが小沢氏が握っている「権力」の大きさだけは、当時の元首相にも匹敵するように思えるからだ。
参院第一党の民主党を率いる。しかも、日米安保に関し「在日米軍は第7艦隊だけで十分」といった「暴論」をはいても、党内の誰も異議をはさめない。派閥と野党との違いはあれ、元首相を髣髴(ほうふつ)させる君臨ぶりである。
そんな力で政府与党を揺さぶり首相の座も指呼(しこ)の間かと思われていた。その権力が、秘書の逮捕で大きく揺らいだ。衝撃の大きさのゆえんだ。小沢氏自身も十分にそのことを感じているようだ。4日の記者会見では、捜査を「不公正な国家権力、検察権力の行使」と、批判した。「民主主義を危うくする」とまで言い切った。
事件は自民党政権が小沢政権を阻止するために仕組んだ「国策捜査」だと言わんばかりだった。民主党や小沢氏を支持する一部の識者もこれに同調している。
だが小沢氏は、何の権力も持たず薄給で暮らす一市民ではない。くり返すが民主党という一大政治勢力を率いる権力者である。しかも一企業の関係団体から約2億円もの政治献金を受け、自らの政治団体は一時、総額10億円もの不動産を購入していた。
その点を別の権力である検察当局がチェックすることが「民主主義を危うくする」とは思えない。むしろ、「三権」による民主主義が機能しているのである。
やはり絶大な政治権力を持ち、5億円のわいろを受け取ったとして起訴された師の田中元首相は、裁判では検察側と対立し、無罪を主張した。だが一方で、取り調べの検察官の労をねぎらう。そんな逸話がいくつも残っている。
善意に解釈すれば、そうした民主主義のチェック機能を理解していたのかもしれない。今、小沢氏がやるべきは、自らの政治姿勢を謙虚に反省することだろう。(さらき よしひさ)
--------------------------ここまで
>マスコミには、何が問題なのかをはっきりと噛み砕いて
>解説していただきたいですね。
>いい機会だと思います。
同感です。
でも、今の論調を見ていると、まだ、そんな気がなさそうですよね。
一部の良識あるマスメディアに期待したいところです。
解説していただきたいですね。
いい機会だと思います。
>公共工事→議員の口利き→行政の発注
>この縮図が民主的で無いですよね。
ええ、そうなんですよね。
>でも・・・本質的な景気対策・・・最優先だと思います。・・・が・・・・
同感です。
麻生政権には、景気対策を優先して、頑張っていただきたいですね。
私も建築業界の関係者として、そもそも
公共工事→議員の口利き→行政の発注
この縮図が民主的で無いですよね。
田中角栄氏を師匠とした小沢氏の「学習能力」にもかなり疑問が。
先般の在日米軍の「第七艦隊」発言でも、思慮無さが・・。
議員改革 公務員改革!
でも・・・本質的な景気対策・・・最優先だと思います。・・・が・・・・
その通りだと思います。
小沢氏が、本当に潔白であれば、何か出てくるはずがないのですから、
地検批判などする必要ないですし、ましてや、自民陰謀説なんて声だか
にいう必要もないんですよね。
なんの根拠も無く、安易な地検特捜部批判や自民党陰謀説を、口に出す
民主党議員の態度には、本当に、がっかりさせられますよね。
身の潔白を主張する行過ぎた言葉のパフォーマンスにも受け取れます。
小沢氏にとどまらず、第一秘書逮捕の報より間もなく、
何の裏づけがあったかも知りませんが、
民主の鳩山氏の与党絡みの選挙前の陰謀説発言・・・、
私個人としては、自民にも民主にも偏る心情は持ち合わせてはいませんが、
今回の民主党幹部の早過ぎる地検批判、陰謀説等々の発言は、
次期政権を狙おうとする野党第一党としての資質を疑うものでした。
まして、これだけ巨額の政治献金が西松建設社員全員の有志で行われていた、
ということにも疑問が残りますし、万一献金の見返りに便宜を図られる事実でもあったならば、
その疑問も西松建設という名前を献金名簿の表から消し去り、癒着の事実を否定するためかと、
勘ぐりたくもなります。
小沢氏を含め民主党幹部は、陰謀説に話しを摩り替える前に、
選挙前だからこそ、とことん捜査してもらい無実を証明して欲しい、くらいの
コメント出して欲しいものです。
いずれにせよ、この先の展開によっては、何の裏づけもなく地検を批判し
独立した三権の一つを侮蔑した民主党幹部も責任をとって然るべきでしょう。
これだけの問題に慌てふためく姿は、政治混乱による国民生活への影響を危惧するものではなく、
ただ、選挙に向けての自分達の不利益のみを主張する、国民不在の心底を曝け出したに過ぎません。
と、感じました。
また、長くなってすみません。