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陽猫のいろいろ


野党3党共同緊急雇用対策関連4法案、その2

まず、野党3党が出してきた法案(1)について。

民主党のホームページに添付してあったPDFファイル「労働契約法改正案」
を見てみると、なるほど、「内定契約」というもの自体を、労働契約として扱いましょう。という主旨であることは分かった。
しかし、本当にそれでいいのだろうか?

そもそも、一般に内定契約というものが必要になるのは、大学生や専門学校生など、卒業見込みの学生だ。
しかも、景気や学生の能力にも左右されるのだろうが、幾つかの会社から内定をもらうというスタイルが普通に見受けられる性質のものでもある。
また、希望する企業が幾つかあった場合、一社からの合否が来る前だからといって、他会社の試験を受けないという選択などありえないであろう。
そして、一口に内定と言っても、流れがあり
企業側から合否の連絡があった状態「内内定」後、企業から指定された一定期間内(通常2週間)に、企業側と交わす内定契約によって、内定成立となる。

こうした状況を含めて考えてみて、どうも、この改正案は不備があるように思える。
特に、学生からの意思決定として、内定契約をしていない状態(つまり企業側からのアクションだけ)で、もう内定契約が決まり、そして、労働契約が成立したとして扱われるという、第十三条の二の追加条文。
世の中は、いつまでも不景気ではないし、また、今回の様な内定取り消しという事が起こるのは、急激な景気の悪化がもたらした副産物なのに、
不景気時の企業側、好景気時の学生側を考慮していないというのは
大いに疑問の残る改正案だと、私は思う。

-------------引用開始
内定取消しの規制等のための労働契約法の一部を改正する法律(案)
(労働契約法の一部改正)
第一条 労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十三条」を「第十三条の二」に改める。
第二章中第十三条の次に次の一条を加える。
(内定取消し)
第十三条の二使用者による労働者の就労開始前における労働契約の解除は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
第二条 労働契約法の一部を次のように改正する。
目次中「第十三条の二」を「第十三条の三」に改める。
第二章中第十三条の二を第十三条の三とし、第十三条の次に次の一条を加える。
(採用内定の通知と労働契約との関係)
第十三条の二使用者が、労働者になろうとする者に対して、就労に先立ち、採用する旨の通知を発したときは、その時において労働契約が成立したものと推定する。
第三条 労働契約法の一部を次のように改正する。
第十三条の三中「使用者による労働者の就労開始前における労働契約の解除」を「内定取消し」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
使用者は、労働者の就労開始前における労働契約の解除(以下この条において「内定取消し」という。)をする場合があるときは、あらかじめ、当該労働契約の相手方(第三項において「内定者」という。)に対し、内定取消しの事由を書面により明示しなければならない。
第十三条の三に次の一項を加える。
3 内定取消しが行われた場合において、内定者が当該内定取消しの理由について証明書を請求したときは、使用者は、七日以内にこれを交付しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条及び附則第四条の規定は公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から、第三条、次条及び附則第五条の規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 第三条の規定による改正後の労働契約法(次項において「新法」という。)第十三条の三第一項の規定は、第三条の規定の施行後に締結される労働契約について適用する。
2 新法第十三条の三第三項の規定は、第三条の規定の施行後に行われる内定取消しについて適用する。
(公益通報者保護法の一部改正)
第三条 公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十六条」を「第十三条の二及び第十六条」に改める。
第四条公益通報者保護法の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十三条の二」を「第十三条の三」に改める。
第五条 公益通報者保護法の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「第十三条の三」を「第十三条の三第二項」に改める。
理 由
内定取消しに関する紛争の防止及び解決等を図るため、採用内定から就労までの間の契約関係を明確にする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
-------------ここまで

アバター
2009/01/12 11:55
こんにちは、いちもくさん。丁寧なレスありがとうございます。
>国民は自民も民主も支持しているとは言いがたい状態
同感です。
どこの政党だから支持しているという考えをもてるほど、各政党に政治的な大きな特色はありませんし、
また、支持する国民側も政党としての特色など望んでいないのだと思います。
望んでいるのは、「自分たちの生活がよくしてくれる政党」ですから、基本、どこの政党でも構わないの
だと思います。

>現状が世界同時不況であれば、なおさら改革スピードを落としている場合ではないと思うのですが・・・。
プライマリーバランスの黒字化は、財政が健全であることを示すので、目指すこと自体には異論はない
のですが、現在日本が置かれている現状でそれを目指すには、余力が無さ過ぎると思います。
改革と言うものは、ある程度、体力があるときに行わなければ、屋台骨をつぶしますから、停滞時期がで
てしまっても本末転倒にしないための手段であると捉えた方がいいと思います。
また、急激な改革は大きなひずみを伴いますので、(小泉氏が改革半ばで政権を退いたのも、安倍氏や
福田氏を引き摺り下ろす力に傾いたのも、また、麻生氏が不当に叩かれるのも、その”ひずみ”によるもの
ですから)状況にあわせて、改革スピードに強弱や停滞時期をつくることは、戦法としてアリだと私は考え
ます。

>確かに民主党は日和見だし選挙をしたいあまりにアホな事を良く言う政党ですが
日和見政党で、改革など出来るはずはないでしょう。
改革を行うには、明確なビジョンとそれを遂行する為の強い意志が必要です。
『今の政権に不満を持っているんだから、政権交代さえすれば、なんとかなる』
こういうレトリックがまかり通るところに、私は問題を感じます。

>民主単独政権(若しくは新政党)を建てる
民主単独政権はともかく、若手議員によっての新党結成はアリだと思います。
今の若手はやる気が空回りしているところがあるので、辛酸を舐めてもらって現実にそった考え方を
学ぶ場が必要だと考えます。

>ただ、支持団体に問題があるので、どこまで真剣に改革出来るかは確かに疑問ですね。
そのように考えられているのに、いちもくさんが、民主党を支持されているのが私には疑問に感じます。
支持団体に支配されて、国益を損なうようでは、政党として支持などできないと私は考えますから。
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2009/01/06 21:35
個人的な意見ですが、現在のねじれ現象を見れば、国民は自民も民主も支持しているとは言いがたい状態で、タイミング的に自民の年金問題や各省庁の経費問題が起こっている最中に参院選があったから民主党が勝って、郵政民営化の単一議案をもって衆院選で自民党が勝っただけの様な気がしています。

ただ、現在の麻生政権では、私的には未だにもっともまともだったと思っている小泉政権の下行っていたプライマリーバランスの黒字化を目指した全ての経済、自由化政策が半ばで終わってしまい、それが日本の国益にかなうとはとても思えない訳です。
現状が世界同時不況であれば、なおさら改革スピードを落としている場合ではないと思うのですが・・・。

確かに民主党は日和見だし選挙をしたいあまりにアホな事を良く言う政党ですが、現在の官僚制度と中央集権制度を改革するには、政界再編寸前レベルでの改革派自民党議員との合流を持って、民主単独政権(若しくは新政党)を建てるのが最短ではないかと考えております。
ただ、支持団体に問題があるので、どこまで真剣に改革出来るかは確かに疑問ですね。
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2009/01/06 11:05
こんにちは、いちもくさん。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。
年末年始と体調を崩し、忙しさも手伝って、結局放置状態になってしまって
いました。ごめんなさい。

>要するに、今後変わる予定のある「景気」というものをあまりに重視するあまり、
>企業側の利便性を無視し、はては好景気時の学生側の都合を無視した改正
>案だという事ですよね。
ええ、そういう内容です。だからこそ、自民党から切って捨てられたのだと思い
ます。まぁ、内容からすれば、当然の結果なのですが、、、
野党3党のいやらしい所は、内容云々ではなく、「国民の為に提出した法案が
自民によって廃案にされた」というパフォーマンスに利用している点ですね。

>今回は振り子のバランスが、学生・就業者側に振れた訳ですが、また反対に
>振れれば法律は変わるのでしょう。
簡単に変えられるような法律では困りますよ。
社会情勢が変わってしまって根本的に変えなければ対応できない、という状況
なのであれば仕方ないとは思いますが、困った即「法律」をかえよう、では困り
ます。

>個人的には、民主党単独政権を自民の反対派が合流した上で構築して欲し
>いなと思っています。
もし、宜しければ、民主党の単独政権を望まれる根拠をお聞かせ願えますか?
私は、民主党が出してくる法案をみるにつけ、一部の国民にしか目を向けてい
ないようにしか感じられないので、民主党単独政権には今のところ反対です。
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2009/01/06 10:04
こんにちは、あろんさん。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。

>色々調べて頂いてありがとうございます
いえ、年末年始と体調を崩し、意見が自分の中でまとまらないまま、
忙しさも手伝って、結局放置状態になってしまったので、かえって
申し訳なかったです。

>民主党は役にたたないと思いますが今までは自民党の小山の大将
>状態に一石を投じたのは良かった事だと思います。
おそらく、多くの人がそのように感じてらっしゃるのだと思います。
ですが、少し誤解があるように思います。
国会議員は、選挙の結果によって就くことができる職業なので、
「自民党の小山の大将状態である」ということであるなら、多くの国民が
小山の大将である事を望んできた結果だということです。

そして、残念な事に、現内閣の政策に対しての批判ではなく、
自民党批判の受け皿としての現内閣批判に終始している事にも気付く
人は少なく、また、それがどのような結果を引き起こすのかも気付いて
いないようなんですよね。
それは、とても怖い事だと思います。

>解散後は今までの政党派閥も解散とし、志や考え方の合う人たちで
>都度グループを作って選挙をした方が目的がしっかりすると思うので
>すが…今までのしがらみがあったりするので難しいだろうなぁ
確かに、政党や派閥などにこだわられてしまうと、私たち国民にとっての
メリットは薄いと私も思います。
ただ、選挙が近くなると、その政党や派閥が掲げている”志や考え方”と
自身は違うといい出すのは、なんとも、滑稽な気がしますよね。
アバター
2008/12/28 22:21
要するに、今後変わる予定のある「景気」というものをあまりに重視するあまり、企業側の利便性を無視し、はては好景気時の学生側の都合を無視した改正案だという事ですよね。

まあ、政治なんてものは、バランスオブパワーが一番大事な事なので、ほとんどの場合は誰かが得をすれば誰かが損をする事になっているので・・・。なかなかwin-winの状態を構築するのはこの不況下では困難でしょう。

今回は振り子のバランスが、学生・就業者側に振れた訳ですが、また反対に振れれば法律は変わるのでしょう。

個人的には、民主党単独政権を自民の反対派が合流した上で構築して欲しいなと思っています。
アバター
2008/12/24 20:58
色々調べて頂いてありがとうございます

民主党は役にたたないと思いますが今までは自民党の小山の大将状態に一石を投じたのは良かった事だと思います。

解散後は今までの政党派閥も解散とし、志や考え方の合う人たちで都度グループを作って選挙をした方が目的がしっかりすると思うのですが…今までのしがらみがあったりするので難しいだろうなぁ

色々ありがとうございました







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