私の書く短編には、たまにそれがある。
今日書いた「嘘の部屋」は分類が難しい。
オチからしてファンタジーでいいだろうか。
休日以外(水曜以外)、ブログ短編小説、毎日更新
私の書く短編には、たまにそれがある。
今日書いた「嘘の部屋」は分類が難しい。
オチからしてファンタジーでいいだろうか。
「ただいま。」
「お帰りなさい、晃人。今日は遅かったのね。」
「ああ。済まない。大学の研究が、思ったより手こずって。」
嘘。
「お食事は?」
「まだだ。やっぱり、愛妻の手料理が食べたくてね。」
嘘。
「じゃあ、すぐに仕度するわね。」
「家に帰れば、可愛い妻と温かいディナー。僕は幸せ者...
「はぁ、はぁ。やっと捕まえたぜ、この野郎!」
蕎麦屋”そば長”の主人、長介は、息を弾ませながら男の襟首を掴んだ。
「ちぇ。脚にゃア自信があるンだがなァ。」
苦笑しながら男・・・与平は、長介を見返る。
「とっとと蕎麦代、十六文払いやがれ!」
「そんだけでいいのかい?」...