友情の男アミーゴマン…
Amazonで見付けて注文しちゃった…
休日以外(水曜以外)、ブログ短編小説、毎日更新
「ただいま、母さん。」
久しぶりの実家は、たった三年で妙に寂れていた。
「・・・お帰り、雄一。」
母も、随分と老けこんだように見える。
が、それは年月のせいだけでは無い事を、僕は知っている。
「雄二の容態は?」
「・・・あと、半年だって医者に言われたよ。」
「・・・そう。」
弟の余命を...
「おい、あれ、山城雄大じゃねぇか?」
「は?」
「知らねぇのかよ!甲子園の怪童とか呼ばれて、中京レッズにドラフト掛かった野球選手だよ!サイン貰って来ようかなぁ!」
「止めとけよ。結局肩壊してプロ生活10年間、一度も一軍に上がれなかった選手のサインなんて、何の価値があるんだよ。」
「俺より詳し...
「へぇ。生島さんって、箸の使い方、上手なんだね。」
始めは何気無い、本当に何て事無い一言。
「お姉ちゃんに、教えてもらったの・・・」
頬を染め、俯きながら、生島奈緒はぽつりと呟く。
「ふぅん。」
俺はその後も、社食の日替わり定食の焼き魚の骨を器用に避ける、美しい箸使いを、ただ何と無く眺めて...