Nicotto Town



休日以外(水曜以外)、ブログ短編小説、毎日更新

悪夢の果 4

それから、五年。僕は、下宿からほど近い大学の医学部に進学した。下宿先の老夫婦は、僕に本当に良くしてくれている。子供が出来なかったのだと言うその老夫婦は、時折、僕を養子に迎えたい旨を零すようになった。そんな矢先。 ”伸君。落ち着いて聞いてくれ。” 叔父からの...

>> 続きを読む


悪夢の果 3

それから、半年後。 「ほら!伸!お父さんよ!」 母が出産した、その子供の顔を見て。 「・・・!」 もう、耐え切れなくなった。 「ね!正さんにそっくりでしょう!」 そう、その赤ん坊の顔は、あくまで父に似ていて。 「あ、正さん本人です...

>> 続きを読む


悪夢の果 2

「ふんふ~ん。うふふ。」 「・・・ご機嫌だね。母さん。」 「ん~?ふふふ。」 母はあれ以来。三か月、僕に顔を見せなかった。そして退院寸前の今になって、突然見舞いに訪れ、鼻歌を歌いながら花瓶に花などを活けている。 『あれ・・・夢だったんじゃないかな。』 ...

>> 続きを読む


悪夢の果 1

ば、馬鹿な真似はやめてくれよ!」 しかし、病院のベッドの上、事故で両の手足を骨折している僕は 「お願い!お願いよ!暴れないで!伸!」 奇跡的に軽度の打撲で済んだ母に抗う事は出来ず。 「あなただって!正さんに!お父さんに生き返って欲しいでしょう!?」 ...

>> 続きを読む





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.