「おじさーん。すみませーん。」
まあ仕方がない。
私もそう呼ばれる歳になったのだ。
「あ、そこのお嬢ちゃん。」
多分、おじちゃんを言い間違えたのだろう。
人間、誰しも間違いはある。
「金サン!金サン!アナタ金サン!」
ここらへんになると、意味が解らない。
「貴...
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「おじさーん。すみませーん。」
まあ仕方がない。
私もそう呼ばれる歳になったのだ。
「あ、そこのお嬢ちゃん。」
多分、おじちゃんを言い間違えたのだろう。
人間、誰しも間違いはある。
「金サン!金サン!アナタ金サン!」
ここらへんになると、意味が解らない。
「貴...
「さて。これから、どうしますか。」
信号待ちの交差点。
ふと、口から洩れた、呟き。
「あ、あの、すみません!」
それに、並び立っていた二十歳前後の青年が反応した。
「その声!声優の、光みかんさんじゃないですか!?」
「そうだけど・・・」
確かに、それは私の”芸名”...
「ほんと、”てっちゃん”てお金持ちなのねぇ!」
HN”みぃ”は、布面積の乏しい大胆なビキニ姿で、その豊満な身体を惜しげも無く曝す。
「自家用クルーザーに島、ですもんね。」
HN”アリス”が、うん、と背伸びをする。
こちらは...
木枯らしの吹き荒ぶ、河原。
そこを、三人の武士が行く。
先に立つのは、四十路の半ばと言った年配の、頬骨の突き出た優男然とした男。
切れ長の眼、筋の通った鼻は、若い頃はさぞや、と思わせる。
その後に続くのは。
長い睫毛。
桃色の頬。
紅を引いたような、唇。
それこそ、女と見紛うばかりの、二十歳前後の美...