『やめろ・・・』
手。
手。
手。
手。
『やめてくれ・・・!』
求める。
掴み来る。
襲い、来る。
『許して・・・くれぇ・・・!』
誰が?
何を?
何に?
『謝る・・・この通り・・・だから・・・』
捕まる。
潰される。
身が裂れる。
『ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ...
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『やめろ・・・』
手。
手。
手。
手。
『やめてくれ・・・!』
求める。
掴み来る。
襲い、来る。
『許して・・・くれぇ・・・!』
誰が?
何を?
何に?
『謝る・・・この通り・・・だから・・・』
捕まる。
潰される。
身が裂れる。
『ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ...
奥羽の山中。
一人の行李を背負った若侍が、山道を行く。
「・・・」
ギャアギャアと鳥の飛び立つ音に、ふと目を向ける。
「ふっ。」
そして、やけに過敏になっている己を発見し、小さく笑った。
何時しか道は、緑多き景色では無く、ごつごつとした岩場に差し掛かっていた。
ぽつぽつと点在する樹木...