「ほら、早く来なさい!」
マリがナオミの手を強く引く。
「でも・・・私・・・」
それでもナオミの足取りは、重い。
「何も心配要らないわよ!」
気遣いより、苛立ちが勝る、マリの語気。
「先生に任せとけば安心なんだから!ね?」
「・・・」
「もー!そうと決まったら愚図愚図しないっ!」
...
休日以外(水曜以外)、ブログ短編小説、毎日更新
「ほら、早く来なさい!」
マリがナオミの手を強く引く。
「でも・・・私・・・」
それでもナオミの足取りは、重い。
「何も心配要らないわよ!」
気遣いより、苛立ちが勝る、マリの語気。
「先生に任せとけば安心なんだから!ね?」
「・・・」
「もー!そうと決まったら愚図愚図しないっ!」
...
ネタはあるんですが、何か練り込みたくなったんで、更新は夜になります。
・・・
水曜がお休みで、一週間分のネタを考えてるんですが、その内使えるのは一本くらい・・・
だいたい、朝、風呂入りながら考えてます(笑)
「おはよう。さくら。」
通学路途中の、バス停。
古びた待合用のベンチ。
田代浩司が声を掛けると、彼女は座ったまま満面の笑みをちょこん、と傾げ、紅葉のような掌を振る。
「・・・誰に挨拶してるんだ、お前。」
今朝はたまたま一緒だった、同じ学校に通う近所の同級生、山本昭三が眉根を寄せる。
「ちょっ...
”犯人に告ぐ!無駄な抵抗を止めて、直ちに出て来なさーい!”
拡声器からの声が、近隣に響く。
それを聞き付けた近隣の住民が、何事かと雲霞の如く集まる。
事はどんどん大きくなって行く。
『抵抗なんかしてねーじゃねーかよ!』
兼尾太助(かねおたすけ)は頭を抱えて、廃屋の中で煩...
殺害四人。
未遂一人。
「おい。只野。」
連続殺人犯、只野敦に手錠を掛けたのは、俺だ。
「よう、刑事さん。」
只野は留置所の鉄格子の向こうで、妖しく笑みを広げている。
「何か、話す気になったか。」
「何か、って、何を?」
「とぼけんな。」
俺は胸ポケットを探り・・・
その場所が禁煙で...