「旦那様。」
「何だ。」
「今夜、その化け物が出るの?」
「知らん。」
「知らん、って・・・」
「何時出るか解らぬのだから、行き合うまで見回るしかあるまい。」
「まさか、毎晩!?」
「他に方法があるか。」
「・・・旦那様ってば・・・」
正衛と京は、盛岡城の周囲を巡っていた。
陽も、...
休日以外(水曜以外)、ブログ短編小説、毎日更新
「旦那様。」
「何だ。」
「今夜、その化け物が出るの?」
「知らん。」
「知らん、って・・・」
「何時出るか解らぬのだから、行き合うまで見回るしかあるまい。」
「まさか、毎晩!?」
「他に方法があるか。」
「・・・旦那様ってば・・・」
正衛と京は、盛岡城の周囲を巡っていた。
陽も、...
さて、先日全12話の内の4話までが放映され、盛り上がりを見せて来た”夜ヤタ”。
気になるのはその”黒幕”の存在。
ファンの間では、第一話でレパードにいきなり発砲(更に「退去せよ」の言葉に従ったにも関わらず後ろからガチ攻撃)し、第二話ではミサイルぶち...
「は、はい、私が見たのは、ひょろりと細長い、天を突くような大男で・・・」
城周りに何ら手掛かりを発見出来なかった正衛は、次に”化け物”の目撃者の話を聞く事にした。
相手は、城付きの御医師、三田隆元である。
「・・・大男?」
正衛はちょい、と眉を浮かした。
「ええ。暗が...
人の倫理観は、文化や個々で少なからず違う。
例えば、漢王朝を作り上げた劉邦。
彼は項羽の急襲から逃げる際、乗っていた馬車を軽くし、速度を上げる目的で、同乗していた王子と王女、二人の我が子を放り出した。
結局、その二人は家臣が拾って来たのだが。
これは、当時の文化として、何ら間違った行いでは無...
「御呼びにより参上致しました。本田正衛に御座います。」
「妻のぉ、京でーっす!」
畏まる正衛の傍ら、妻と言う言葉に照れながらも元気良く片手を振り上げる京。
どうせ相手には見えてはいない。
それが解っていても、つい正衛の顔が歪む。
「うむ。南部利済である。」
やはり、京の所作も知らずに真面目く...