アヤは、お弁当を開けるとこう言った。
「このなかでさぁ、リーダー決めようよ」
黒髪のアヤは箸で夏を指した。
「えっ、私……?」
夏は一瞬そう言ったように聞こえた。
「まぁ、いいんじゃない。別に誰でも」
私は言った。
「俺、みんながリーダーにさーんせい」
ユウトはだ...
いちはぜん、ぜんはいち。
アヤは、お弁当を開けるとこう言った。
「このなかでさぁ、リーダー決めようよ」
黒髪のアヤは箸で夏を指した。
「えっ、私……?」
夏は一瞬そう言ったように聞こえた。
「まぁ、いいんじゃない。別に誰でも」
私は言った。
「俺、みんながリーダーにさーんせい」
ユウトはだ...
窓際に、
海辺の草が揺れる。
照らした明かりのほのかな
光は、
彼の面影と髪の影を
こっそり映し出しているようだった。
「ねぇ、まだそこを見てるの?」
「さっきから何か動いてるんだ。
ほら、見えない?」
彼はそう言った。
私は窓辺に駆け寄って見る。
「何も見えないじゃない」
そう言って...
先導する海兵隊員は、
街路灯のなさと(おそらくこれは攻撃で電源が切れていた)
道の暗さにうんざりしていた。
「チッ、いてっ。またか」
その海兵隊員は物にしょっちゅう
つまずいていた。
辺りには長年の戦争で
あちらこちらに残骸が散乱している。
まるで昨日強盗に襲われたての
カルフォルニアの住宅...
シールズ一人と、
海兵隊員三人を招集した
乱戦中の路地裏では、
これからどうするか、の
作戦会議が行われていた。
「隊長、デリバリーはホットです」―
シールズ隊員、エースは無線機でそう告げた。
「―分かった。ヘリは無理だから、
車両隊で引き揚げさせる。
ブラックホークが
K-406S地点に向...
夏〈ナツ〉は静かに屋上の扉を開け、
たむろしている二人の三年生をシカトし、
またたむろしている2,3人の二年生女子を
シカトし、
先に食事をしている
二人の同級生に追いついた。
ユウトとアヤ。
二人の名前はそう聞こえた。
夏は追いついて、
二人の会話に合流したが…&hellip...