一流の流儀③(小説)
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/10/08 21:10:01
一つの技を極めし職人は、時として理論を超越する。
黄金比をご存知だろうか?
ユーグリットによって数学的に導かれた黄金比だが、それ以前の芸術品にもこの黄金比が用いられているという。
つまり太古の職人は、経験から黄金比を「識っていた」ということである…
それからと言うもの、私は時間を見つ...
一つの技を極めし職人は、時として理論を超越する。
黄金比をご存知だろうか?
ユーグリットによって数学的に導かれた黄金比だが、それ以前の芸術品にもこの黄金比が用いられているという。
つまり太古の職人は、経験から黄金比を「識っていた」ということである…
それからと言うもの、私は時間を見つ...
サーカスのピエロにどんなイメージをお持ちだろうか?
ほとんどの人は、おどけて観客の笑いを誘うその姿にドジな印象を持っているだろう。
しかし、ピエロは最強の称号であった。
サーカス団の中でも、すべての技を極めし者に与えられる称号こそが「ピエロ」だった…
コンビニは扱う商品が多岐に渡る。...
どんな分野であっても、一流と呼ばれる人間は圧倒的な修練を積んでいる。
1日10時間以上ピアノに向き合うピアニスト。厳しい食事制限の下に体を作るボクサー。寝る間を惜しんで方程式と格闘する研究者。
人々は「天才」の一言で片付ける。しかしながら、そこには血のにじむ努力があった…
私は平凡な...
やっぱり僕は僕だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから他の人になんてなれっこない。
最初から自分の道を行くしかないってこと。
今から少し未来。徹底した効率化を図った世界があった。時代は超管理型社会へと突入し、人間ですら画一化される世の中となった。
僕はサラリーマンだった。七三分けにメガネ、...
たいていのことは受け入れられるようになっていた。
というか、諦められるようになった。
昔は理不尽なことと戦っていたが、今ではどうでもよくなった。
嫌なこともすぐ忘れるし、時間が経てばいつも通りだった。
なんとなく惰性で生きているな。私は思った。
私は職場ではある程度の立場にあった。しかしながら、実際...
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