ゆうやみ
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/03/16 17:39:50
彼女は窓を眺めていた
この広い世界の片隅
白い窓枠に縁取られた窓をみつめ
はたから見つめ
ふと、ぼやく
「ねぇ、はなしってなに?」
彼女は絵に描いたようなロングヘアーで
弓のような長い腰をくんにゃりと曲げ、
前髪を気にしつつこちらをのぞき込む。
「いや、別に」
僕はそう答えた
彼女はフィアンセ、である。
少なくとも、僕の中では。
「どうせまた、くだらないことだと思ってさ」
彼女はいう
「見てるだけなら、話終わっちゃうよ」
僕をあせらせる
15:55分の夕陽が
彼女の頬を赤く照らし
細く垂れる髪をきらびやかにうつしだす
僕はそっと彼女の腰に手を触れ
やさしく撫でながらそっと腕を使って窓際に抱きよせた
「・・・・・・」
彼女はまばたきしながら
こっちをけげんそうな顔をして見る
「・・・・・・」
あのさ、と言いたげだった
「あのさ」
彼女はいった
「なに?」
僕はわざと答える
「・・・・・・」
また沈黙してしまった。
16:05
彼女はなんでもないと顔をしながら
そっと腰に添えた僕の手をはたく。
時間は矢のように過ぎていた。
16:07
僕はそっと彼女の腰に手を回しながら
後ろからしゅっと抱き寄り、
腕で締めつけた。
彼女は弓のようだった。
腕で締めつけては押し返し、
その強い弦で腕を切らんばかりだった。
「ああ、もう」
彼女はいい加減いらいら気味だった。
「ううん」
ただうなるばかり。
彼女の垂れた長い髪が、
腰に回した僕の手に触れる。
「あのさ、話があるなら早くいってよ」
続く――――
男の人から見たら
女の子ってこんなにしなやかなんデスネ…
まーたく 未知なる世界 ・・・ (✿◡‿◡✿)