ゆうやみ Ⅱ
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/03/19 17:41:51
16:22
僕は紺碧の瞳をながめ込んでいた。
吸い込まれそうな、碧色の目
いたい気のない、青色の目
実際彼女は若干茶色がかった目をしている
ように見えた。
だが、そんなことはどうでもいい
夕闇の空に赤く照らされた琥珀色に映し出された
彼女のその瞳は、紺碧色に見えた。
抱きしめて締めつけた彼女の瞳から、
ゆっくりと、薄っすらと涙が伝いこぼれる。
16:25
「苦しいよ」
彼女はいたいげだった。
頬にこぼれたその涙が
あごのラインまで流れていき、
紺碧の海に流れ込むサファイアのようだった。
16:27
紺碧の海に流れ込むそのサファイアを
僕は手にするために
彼女の手を後ろからそっと外側から優しくつつみこむように
手で握りしめた。
16:29
彼女の顔がだんだんサファイアブルーのように
見えてきた。
日が影っているせいか、
薄っすらと青い彼女の肌が
よけい青白く見える。
16:30
このままこの宝石の海に感情ごと流れ込まされて
しまうのだろうか。
続く―――
「 苦しいよ 」 とは ・・・言わない
「 ぐるじぃぃぃよ 」 と ・・・言う ゚♡→ܫ←♡゚