夕闇のネオン
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/04/11 10:38:50
君は散った 大きな酒樽の前に 静かな黙示の前に
皿を縁取る 装飾 血が注ぎ込む 深皿
フラスコに注ぎし君の血の
赤い葡萄から絞り出される 液体
伯爵は晩酌だった
晩酌にワインとは珍しいが
サラミスまがいのサラミ・ソーセージと一緒に
いただく肉の味
深い味わい
その全てが伯爵の歴史を物語っているようだった
伯爵は言う
「君のすべてが その歴史をつくっているんだよ」と
「君の味が その全てなんだよ」と
お供をする家来が言う
「伯爵、その味はソーセージですか?」
有りしものはすべて供に出される
サラミ・ソーセージ・牛肉のソテ
血肉湧き上がる 宵の宴に
今日も伯爵は 舌を楽しませるのだった……
「うん、今日も肉がうまい」