Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


鏡としての小説:書くスタンス

小説を書くとき、
どんな姿勢で書いてますか?

前傾姿勢?遠目?

いえいえ。そういうことではありません。

何を考えて書いているか、です。

小説には二つの側面があると
思います。

ひとつは、(A)自分の鏡としての小説。

もうひとつは、(B)自分と他人の関係性としての
小説。

簡単にいうと、
鏡を正面から見た場合

鏡と自分の間の像がA

鏡の奥(向こう側)の像がBです。

この場合、鏡の向こうには手が
伸びません。

というか、虚像です。

この場合、鏡の面に映った像が
Aで

実際にはない鏡の向こう側の像が
Bになります。

現実世界はAで、

仮想世界がBになります。

脳機能科学・分析哲学では

人間が感じている世界も
仮想世界、としますが

ここではAが現実レベルの仮想世界、

Bが仮想としての仮想世界

というふうにします。

A(自分の鏡)の小説は、
自分を小説に投写した場合の小説です。

B(自分と他人の関係性において)の
小説は、

Aを拡大解釈した
仮想世界の中に作られた仮想世界です。

つまり、

AがRPGのスクリプト・プロットなら

BはAの台本通りのRPG世界となります。

つまり、

FFXというパッケージがAなら、
(世界観の説明などがなされます)

FFXのゲーム自体はBです。

Aは導入で、
Bは仮想世界そのものなのです。

Aは自分の鏡としての小説ですが、
自分の世界観を反映したものになります。

Bは自分オリジナルの世界観をベースに
さらにその世界に三次元の軸を構成し

世界観(世界)を構築することになります。

20編を超える長編小説などが
これにあたります。

仮想世界も、積み重ねれば
三次元の軸を持った世界になり得ます。

ここで言っているのは、

どこどこのなになに
と読んだだけの人が指定しても、

作者が

ここのこれこれはこういうふうですよ

というふうに
世界観に沿った形で
質問に答えられる状態がBだということです。

ジョージ・ルーカスに
スターウォーズ内の質問をしても
たぶん演出としての答えしか
してくれませんが、

スターファイターは、
ライトセーバーは

といった聞き方をした場合に
ここのこれはこういうふう

といった具合に精密に
答えられることを指します。

AとBの最大の違いは、

作者にBの内容を出力
(質問する、など)すると

ちゃんと返答が返ってくることを
指します。

Aの場合は、
鏡の状態なので

ここのこれはなに?
という二次元(二軸)の質問なら
できますが、

ここのこれはなにで
機能はどういうふう?

という三次元の質問には
答えられないわけです。

それに応じられるぐらいの
編を重ねていないので、

そもそも世界観が構築されていない
ためです。

Aが小説なら、

Bはファンタジー小説です。

Aは現実の設定に沿った
小説になりやすいですが、
(いきなりモロ仮想空間に
住んでいる人などあまりいません)

Bは自分の造った世界観を
ベースにしていますから、

子供が質問するみたいに
「あれはなに?」
と聞けば作者が答えられる状態です。

要は、

鏡のこっちの世界なのか(A)

鏡の向こう側に構築した世界なのか(B)
という違いなのですが、

これはどういう姿勢で
書いているかに直結します。

つまり、Aの場合は
緩やかに、でも真摯に

ですが

Bの場合は

楽しく、のめり込んで

が中心になります。

もちろんAの場合で
のめり込む人もいますし

Bの世界をリラックスして楽しむ人もいます。
(ですがそれはある意味超人です)

小説を仮想世界を捉えた場合、
どういう姿勢・スタンスで書くか

を考えた場合、

作者の没入感ベースで
区切ることが可能ということです。

Aの場合はメッセージ性が多いもの、

Bの場合はストーリー性を押し出す場合が
多いです。

Aが現実ベースなら

Bは作者の世界観という
仮想世界ベースのことが多い。

つまり、AのほうがBよりメジャーだが

Aに比べてBのほうが圧倒的に
難易度が高いのです。

手間もかかるし、頭も必要です。

かといって、
Bを書けるからAより賢いか
といったらそうではありません。

あくまで

Aが5mの壁なら

Bは20mの壁
といった具合です。

どちらを登るのも自由ですが、
はたしてそこまで意味があるのか

といった世界観です。


というわけで質問です。

あなたはどういった姿勢で
小説を書いていますか?

自分としての鏡?

あるいは自分の仮想世界として?

もちろん複合型もあります。

自分の描く世界は、
何色でしょうか?

アバター
2013/06/26 08:40
深いですね。
アバター
2013/06/25 12:36
ありがとうございますb

小説はどんな形であっても
小説ですb

むしろ、真剣に取り組んでないほうが
小説としては素直だと言える。

世界観のネタが散らばっていることもありますb

それをまとめる作業は楽しいでしょうねb
アバター
2013/06/25 12:27
ブログ広場からお邪魔します。
今かなりなんちゃって、ですが小説を書いているので
alfonce記事なんか凄いなって思いました!

私は世界観のネタが散らばっているので、それを集めて練って話の筋が通るように頑張っています。←
だからなんだって感じですがw笑
物書きさんに出会えた記念にコメントしたくなっただけですごめんなさい、お邪魔しました!
アバター
2013/06/25 11:46
ちなみに私は
そういうことを考えて書いていません。

強いて言えば、
世界観(仮想世界)を探るための道具として
書いています。

なので書く時代設定も様々、
場面もいろいろ

登場人物も様々です。

書き方からするとAですし、
やっていることはBの真似事かもしれません。

世界観なんてない、
というのが本音です。

世界観は
この小説はこういうふう!

というふうに
限定的に決めつけてしまう
ことを指しますが、

あえていうと
世界観なんて決められないと
思います。

現実世界でも、
哲学書が2,3冊でて

図書館2,3個分の
本が並ばないと

そもそも世界観を
構築したとは言えません。

その世界観の構築を
しているかもしれない

というわけです。

あるとすれば、

その小説の枠だけ

ここは小説ですよ。

という枠しかないのかも
しれません。

書いていることは仮想ですから
ここに書かれているのは

仮想ですよ

という区切りしかないのかも
しれません。

なので、

自分の描いているのは
白地に白のペイントで
文字を書く作業です。

塗りつぶして
初めて何を書いたかが
分かる世界です。

あとから見たら、
何を書いたかが

一瞬分かるのですが

それは見た=塗りつぶした
一瞬だけです。

見た瞬間しか
分からないのでしょう。

自分の小説のスタンスは
そういうふうなのかもしれません。




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