ゼロ和ゲームに死す
- カテゴリ:20代
- 2013/10/04 08:40:38
ゼロサムゲームというものがあります。
日本語でいうと、ゼロ和ゲームです。
ゲーム理論というもので、
利得表(ゲームの駆け引きを調べる表)
で横に合計しても縦に合計しても
0になるのでこのような呼び方をされます。
ゼロサムゲームというのは、
いわゆる
やってもどっちともつかないゲーム
(=意味のない戦い)を指します。
つまり、じゃんけんなどはゼロサムゲームなのです。
また、フェアな状況で始められるサッカーなども
ゲームのセッティングがされていれば
ゼロサムゲームと言えます。
セッティングの行われたゲーム・試合は
すべてゼロサムゲームなのです。
ゼロサムゲームは、
選択肢が3つの場合が多いです。
一人のプレイヤーが取り得る選択肢、ですね。
もし、4つ、5つに選択肢が増えると、
ゼロサムゲームからは少し遠くなります。
6か12,24など
番手が増えると、
それだけ複雑なゲームになります。
よく、格闘ゲームの黄金比で三すくみ
というのがありますが、
あれは典型的なゼロサムゲームです。
なのでじゃんけんとまったく変わりがない
という意味です。
弱攻撃・強攻撃・投げ技
など、
どれをとっても必ずお互いに有利・不利が
決定するすくみを、三すくみといいます。
例えば、最新のゲームでは
これに格闘が入ります。
また、回避と防御も加わります。
ただ、一連の流れで技が出せないと意味がないので、
よくタイミングゲームと称されるゲームの場合は
防御と回避などが自動で行われない
流れに組み込まれていない
のがネックになります。
まぁ、そういうゲームの話はさておき。
打てる選択肢の数が6個の場合
(つまり格闘ゲームで有効に動かせるボタンが6個ぐらいの場合)
それは6すくみになります。
ただ、それぞれに有効・無効が設定されてないと
いけないので、
実質今のコントローラーで出来るのは
せいぜい6すくみが限界です。
12となると、二人で操作しないといけなくなるでしょう。
逆に、戦略ゲームでも6すくみが限界です。
12すくみになると、そもそもゲームが成立しません。
部隊(ユニット)の準備にコストがかかりすぎてしまう
から、ですね。
決定的にすくみ(有利・不利)が発生する
状況を、すくみと言います。
また、そのような場合は大抵にして
ゼロサムゲームの場合が多いです。
ゼロサムゲームで何がいけないかというと、
やっても意味がないということです。
つまり、戦う意味がまったくないのです。
イコールで、背景のない戦いをしても
意味がないということになります。
かといって、背景のない戦いとは
いわゆる非正規戦のことを指します。
いわゆる局地戦です。
局地戦で勝っても意味がありません。
また、余力を消耗するだけです。
大局に関わる戦いは、
多くの場合事前の合意をもって
行われます。
つまり、セッティングされたゲームです。
この場合も、ゼロサムゲームになる場合が多い。
もっとも、両軍とも生きて帰りたいので
両軍ができるだけ損害を負わない道筋
つまり、両軍が打つ手を出し切った状態で、
戦況が動かない選択肢を取る場合が多いのです。
もっとも、事前の工作を含めると
最初から戦況・勝ち負けは決まっている場合が
多いです。
その場合は、厭戦感情(やる気がなくなる状態)や
兵士の脱走という事態が発生します。
兵士の脱走も、戦局という大局のバランスを取るために
存在しているのです。
戦争がなければ、脱走は発生しませんからね。
脱走しない兵士なら、おそらく思考能力はゼロです。
それはさておき。
選択肢が少ないと、ゼロサムゲームになりやすいです。
逆に言うと、選択肢を増やせば、戦局は長引きやすい
いわゆる、
打つ手を増やすとそれだけ長引く
という事態が発生します。
つまり、手早くゲームを終えるために
三すくみがあるのであり、
それは現実の戦いとは程遠いものになります。
なので、リアルな設定で6すくみ以上の戦いを戦えばいい、
つまり、打つ手を増やすことで、リアルな戦いをすることが可能なのです。
これは、パラメータを増やせば
リアルな設定になるのと一緒です。
ゲームのものを表現する
パラメータが少なければ、
当然リアルには描けません。
ただ、ひとつの方法として
操作し得るパラメータは極力少なく、
潜在的なパラメータはリアルと同様に設定する
だったら結構リアルなゲームができるのです。
操作可能なパラメータを増やしてしまうと、
当然パラメータがずれるのでリアルではなくなります。
まぁ、これはさておき。
打つ手を増やすことで、
より有利な戦いをすることが可能なのです。
取り得る選択肢が少ないと、
どうしても不利になります。
状況に対応できないからです。
なので、一番いい方法は
取り得る選択肢を増やすことです。
それができれば、自ずから主導権を握ることも
可能です。
選択肢を増やす、
それがゲーム理論の真骨頂なのではないでしょうか。
まとめ
選択肢を増やせば、
有利になる。
場合によっては、状況を覆すことも可能。
ただ、戦うことは根本的に
ゼロサムゲームになる。
つまり意味がない。
本当に必要なものを作りたいとき、
それは今持っているものだけでも作れる。
ただ、持っていない場合はやる気が起きない。
生産などの生産的なことも、
すべてやりたいことをやったからといって地球のサイズを超えることはない、
つまり、最初から無から有を生み出すことはほぼ不可能といっていい。
(ただ、無駄なものから新しいもの・概念を生み出すことはできる。)
無から有を生み出すということは、
地球のサイズを超えるということだ。
だから、貿易・生産でも
極めても便利になるだけで、
決して状況が変わることはない。
世の中は相関性で成り立っているので
複数の事柄をちょうどいいように
調整してこそバランスがとれ、有用になる。
つまり、経済の成長は何ももたらさないのだ。
あくまで、指標の話なのである。
本当に正直なところは、ごく普通の一般市民のみが
知る、といったところだろう。