Nicotto Town



けものフレンズ二期

けものフレンズ二期ストーリー妄想。

ごこくちほーに上陸したかばんちゃん、サーバルちゃん他多数の御一行。
そこでいきなりテンションアゲアゲになったアライさんが明後日の方向に駆け出して行方不明に。
今回の旅はヒト(と、その痕跡)を探す以上に「アライさんを探す」旅に(つまり一期とは逆に、かばんちゃん達がアライさんを追う)。
そして、ようやくフレンズ達の住む集落を見付け、聞き込みを。

「あのう、この辺りで・・・」

しかし、現地のフレンズ達はサーバルちゃんを見るなり

「いたぞ!泥棒だ!」

「えっ?えっ?なになに!?」

「今日こそ捕まえてやるぞこの野郎!」

「ま、待って下さい!僕たちはここに来たばかりで・・・もちろんサーバルちゃんも・・・」

「嘘付け!その耳、その尻尾!見間違えるワケぁねぇ!」

「そ、そんな!嘘なんかじゃ・・・」

「ははぁん、てめぇらも仲間だな!みんな!やっちまえ!」

「う、うわあぁぁ!」

・・・と、こんな具合で、どこへ行っても追い回されてしまう。
アライさん捜索どころか、身を隠しながらの逃避行に。



一方アライさんは。

「みんなどこなのだ~・・・おなかすいたのだ~・・・」

見知らぬ土地で、どっちに行ったらいいのかも解らず、ごこくちほーを彷徨っていた。
と。

「あ・・・」

前方に、見覚えのある影。

「さ、さーばるなのだ!おぉーい!さーばるうぅ!」

しかし向こうは振り向きもせずすたすたと行ってしまう。

「ま、まつのだー!あらいさんなのだー!さーばる!さーばるぅ!」

アライさんは必死に追うが、疲労困憊の上に空腹で、影に追い付く事なく倒れてしまう。
と。

「・・・さーばる・・・」

影はアライさんが気になったのか、引き返して来て、失神寸前のアライさんの顔を覗き込む。
そして・・・

「サーバル。それ、何?」

「・・・?」

言葉の意味を問う前に、アライさんは気を失ってしまう。



「ん・・・」

しばらくして、アライさんがおいしそうな匂いで目を覚ます。
ぼやけた視界に、サーバルらしき姿。

「さーばる!」

「起きたね。じゃあ、はい。」

彼女は、アライさんに食べ物を差し出す。

「お腹空いてるんでしょ?」

「???」

アライさんは、彼女が自分の知っているサーバルちゃんとは何かが違う事に気付く。
兎に角、差し出された食べ物にかぶりつき・・・

「ふぅ~。たすかったのだ!さーばるはいのちのおんじんなのだ!」

「そのサーバルって、何?」

「あ。」

そう、彼女は違うのだ。

「さ、さーばるはあらいさんの・・・」

「アライさん?」

「あらいさんはあらいさんのなまえなのだ!」

「なまえ?」

「なまえ!」

「なまえ・・・って、何?」

「えっ・・・」

彼女は、本当に”名前”と言う物を知らないらしかった。

「おまえ、なまえないのか?」

「なまえ、って何か解らない。」

そこへ。

「いたぞ!泥棒だ!」

「まずい!」

「え?なんなのだ?どうしたのだ!?」

「逃げるぞ!」

「ど、どういうことなのだぁ~!?」

何が何やら解らぬまま、彼女について一緒に逃亡するアライさん。




逃げた先、腰を落ち着けた場所で、アライさんは自分に与えられた食料が盗品だった事を知る。

「ど、どろぼうはわるいことなのだ!」

「わるい?」

しかし彼女は、”悪い”と言う概念自体を理解出来ないようだった。

「いけないことなのだ!」

「いけない・・・」

「しちゃだめなことなのだー!」

「駄目・・・なの?」

「どろぼうされたほうはこまるのだ!」

「こまる・・・」

「あらいさんのともだちが、どろぼうなんてだめなのだ!」

「ともだち?」

「あらいさんをたすけてくれたのだ!だからともだちなのだ!」

「ともだち・・・って、何?」

「ともだちってゆーのは・・・」

彼女が色々と解らない事だらけである事を漠然と呑み込みつつあったアライさんは、どう説明した物かと逡巡の上・・・

「てをだすのだ!」

「手?」

「こうするのだ!」

彼女の手を強引に引いて、自分の手と重ね、ぎゅっと握る。

「ともだちとは、こーゆーことなのだ!」

「これが、ともだち・・・」

彼女はほのかに頬を赤らめ、微かに笑った。

「ともだち、って、暖かいのね。」

「そうなのだ!ぽかぽかなのだ!」

「私は、あなたとともだちと言う物になったのね。」

「あらいさんと呼ぶのだ!」

「アライさん・・・」

「おまえのなまえ・・・は、わからないんだな・・・」

考えた末、アライさんは

「せーばる!」

「え?」

「おまえのなまえなのだ!」

「セーバル?」

「にせもののさーばるだから、せーばるなのだ!あらいさんはそうよぶことにするのだ!」

「それが、私の名前?」

「そうなのだ!せーばるなのだ!」

「私・・・名前・・・セーバル・・・」

彼女・・・セーバルは、頬を紅潮させ、どう笑っていいのか解らないのだろう、頬を引きつらせながら

「アライさん。」

「なんなのだ?せーばる。」

「アライさん。」

「どうしたのだ?せーばる。」

「アライさん!」

「だからなんなのだ!せーばる!」

「セーバル!私、セーバル!アライさんが呼ぶ名前、セーバル!ともだちのアライさんが私を呼ぶ名前、セーバル!」

満面の喜色で、それを繰り返した。



そして、かばんちゃん、さーばるちゃんの一行は・・・

「何だろう・・・ここ・・・」

「な、何なのあれ!?」

逃避行の果て、辿り着いた場所は・・・
何と、サーバルの石像を祀る集落だった。
現地のフレンズによると、その石像は”その昔、奇跡を起こし、フレンズ達を救った”存在として崇拝されていたのだった・・・





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