Nicotto Town



魔法少女まじかるリナゾー

ストーリー(最終回まで):

彼女には以前の記憶はほぼ無い。
ただ、自分は「りなぞう」と言う名前である事、実の両親は既に亡い事しか解っていない。
かりそめの両親の元、離島で暮らしていた彼女はある日、ルンバのような機械に告げられる。
・自分は六つ子の姉妹の一人である事
・残る五人も別の「島」に住んでいる事
・全員から「葉」を受け取れば、記憶が戻るのだと言う事
それを聞いた彼女は、そのルンバに似た機械をお供に島を巡り自分の姉妹から葉を集める旅に出るが
途中、それらも彼女の「姉妹」を名乗る五人の女性に行く手を阻まれる。
「行くな」
「止せ」
「その先にあるのは破滅だぞ」
女性達は口々にそう言って彼女に攻撃を仕掛けて来る。
絶体絶命のピンチに、「シロ」を名乗る機械から光が迸り、彼女は「魔法少女まじかるリナゾー」へと変身した。
まじかるリナゾーの力で女性達を撃破しながら先に進んで行く彼女。
そうして各々の島で出会った、自身と同じ顔の姉妹達から葉を受け取る彼女。
しかし姉妹達は、記憶があるのかないのか、彼女に出会うと「待っていた」とばかりに葉を差し出す。
そして、同じ約束をするのだ。
「この葉を受け取ったら、決して振り返らずこの場を去って欲しい」
その言葉に従いつつ葉を集めて行く彼女だったが、四人目の姉妹、りなこの時にふと振り返ってしまう。
そこで見たのは、葉を失ったりなこが消えゆく姿だった。
既に四枚、”自分の中にある葉”を含め五枚を揃えた彼女は、おぼろげながら記憶が蘇り、自分が一体何をしているのかに気付く。
そして最後の一人。
眠り続ける少女、りなむ。
この旅は自分が葉を揃える旅ではない。
”りなむに、自分の物を含めた全ての葉を届ける旅”だったのだ。
そこに、あの姉妹を名乗る女性達も現れ、またしても口々に彼女を制止する。
「やめろ」
「よせ」
「自分の罪を思い出せ」
「彼に向ける顔があるのか」
しかし彼女は、りなむに葉を捧げ
りなむは”自身の本当の姿”へと変化した。

セミロングの黒髪、緑と白のワンピースに身を包んだ少女、りり。
そこで、りりは目覚める。
間近には、ずっと会いたくて、ずっと詫びたかった、自分の為に命を落とした青年、ワカバ。

りりの夢で見た旅は、自身の葛藤であったのだ。
自分がケムリクサによって身を分けた存在にそれぞれの心を投影し。
詫びても詫び足りない罪を償いたい心。
しかしその罪を以て、彼に顔向け出来るのかと言う心。
それでも、自身を取り戻し、彼に会いたい心。

最終的には、彼、ワカバに会いたい心が全てを凌駕し、りりは目覚めたのだ。
それでもやはり、自身の罪にワカバへの気兼ねを感じているりり。
彼女に、ワカバは告げた。
「会いたいと思っていたのが、君だけだと思っていたのかい?」
そう。
夢の中の「シロ」の存在と、魔法少女の力は、その心故にワカバが夢に干渉し与えたものだったのだ。
お互いの気持ちを確認し合った二人は、きつく抱き合うのであった。

[完]




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