Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


ライトセーバー

ライトセーバー、ってありますよね。

そうです、スターウォーズのです。

今日は、その話。


【ライトセーバーは大量破壊兵器ではない】

まず言っておかなければならないのは、
ライトセーバーは大量破壊兵器(WMD)、ではない
ということです。

SFによくありがちなのが、
WMDの存在です。

デス・スター

スター・デストロイヤー

などなど

ほぼ帝国軍の武器ですが
そういうのはよく出てきます。

問題は、
武器として登場するSFの小物として
大量破壊機能のないものは珍しい

ということです。

ライトセーバーは、
よく、何でも切れるというふうに
まかり通っていますが、

届かないものは切れません。
レーザーも切れません。
偏向しているだけです。

問題は、自衛用の
「象徴」の武器としては理想的であるということ。

届かない範囲のものは切れませんが、
突っ込んできたものは

技があれば何でも切れます。

つまり、自衛用の武器としては完璧ですが
過剰攻撃はしない

というポイントにライトセーバーというモノの
真髄があるような気がします。

ちなみに、
悪に堕ちたダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)は
民間人は殺していません。

ジェダイと、
分離主義者がターゲットでした。

かりそめにも、
民衆の敵が心理ではターゲットだったわけで

アナキンの場合は、
パドメ(愛する人)の敵が敵でした。

細かい話をすると、
皇帝パルパティーンに騙されてというか、
そそのかされて悪に堕ちたわけですが、

自分の中では正義だったわけです。

悪がよくやる、エサを悪と思わせることによって
悪の道に引きずり込む方法です。

正義は、悪でもあるということです。

話を戻します。

アナキンがジェダイと分離主義者の虐殺に使った
ライトセーバーは、

ジェダイが使う、
それもシス(悪)も両方が使うものと同じです。

武器はどんなに洗練されていても
使う者によっては凶器になり得る

という言葉のそのもので、

いくら洗練されていて
善の象徴だとしても

(いわゆるジェダイの護身用の武器として)

使う者が間違えば
当然殺戮の道具ともなるわけです。

ライトセーバーは、専守の象徴というセリフも出てきます。
護身用の武器としては有用なわけですが、

むやみに他を“傷つけない”武器としては
非常に優秀なわけです。

そういう武器はSFでも珍しいのです。

ここで言いたいのは、
監督であるジョージ・ルーカスは

ライトセーバーという武器に何を込めたのか?
という点です。

つまり、ライトセーバーの存在の意味、です。

それについて解説した本なんかでは、
聖剣伝説が元になっているとも言われています。

つまり、エクスカリバーの話です。

正義(善)の象徴としては
ライトセーバーも同じです。

スターウォーズという作品の象徴でもあります。

つまり、大きいところではそうであるように、
小さいところ(ストーリー・ワールド中の扱い)においても

ライトセーバーは象徴であるわけです。

つまり、正義サイド(善)の象徴であるとともに、
ただの象徴であって大量破壊機能はないわけです。

レーザービームがガンガン飛び交う環境において、
ライトセーバーは一見非力にも見えます。が、

それを跳ね変えす
(つまり、撃たれるまでは反撃しない)という点において
専守的であると言えます。

(もっとも、撃たれる前に斬りつけるジェダイもいます)

まぁ、ジェダイに言わせれば
跳ね返したほうが効率いいじゃないか、
ということなんでしょうが

とにかく、レーザー銃を持った敵に対して
レーザーの剣で跳ね返すことによって

対抗する。

こういう点に、少年が魅了されるポイントがあるのではない
でしょうか。

つまり、フォースと一体化した、
一見非力な護身用の武器を持って戦う

絶大に強い存在。

これが、作品中において大きな象徴でもあるのです。

そういう意味で、ライトセーバーは珍しい存在であるとも言える。

同時に、素人には扱えないので
熟練者=強い=尊敬される=カッコいい

の構図が出来上がるわけです。


少年がSFのヒーローに憧れるプロセスには
いくつかあると思いますが、

大抵は上の構図だと思います。

つまり、ある技の熟練者が

強くて、カッコよくて、しかもフェアに戦う姿。

これが、SFにおける憧れの発生ポイントだと思います。
結局は、自分ができることかもしれないけど、

でもそれが上手くこなせる人。

自分よりも若干大きくて、それに熟達した人
そういう存在が、憧れを持ちやすいのでは
ないでしょうか。

そういう意味で、ライトセーバーは天才的な発明ともいえる。

発想自体は、ごく普通ものかもしれませんが、
SFの小道具としてこれほど便利で象徴的なものはありません。

たぶん、SF映画史上ではもっとも有名な武器ではないでしょうか。
(汎用性の高いレーザー銃は除く)


【ただの象徴?】

ライトセーバーの特徴は、
象徴であるということです。

と、同時に象徴であるだけであって
過剰破壊能力はない。

このポイントが、SFに出てくる武器としては
珍しいのではないでしょうか。

そもそも、古典にはよくある象徴の武器ではありますが、
その精神的には一緒だと思います。

つまり、象徴であって、破壊能力はない。

物語の主柱になるほど重要だけど、
過剰破壊はしないわけです。

武家に飾られる日本刀にも似ています。
象徴ではあるけど、それで人を切ることはしないでしょう。

精神性を表しているのであって、
武器としての機能はないわけです。

そういう意味では日本刀も一緒ですね。
もっとも、黒沢映画好きのジョージ・ルーカスは
その点も意識してたかもしれませんが。





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