Nicotto Town


「時のかけら」


小説あらすじ「平行世界 本編第4話 完結」

平行世界の本編の最終話です。
第一話の「ソハコサ国の勇者」の妙子やクベル、
番外短編でのキャラ達とがつながっていきます。



第4章 水晶の行方

 エイーナ、レフィラス、サティン、ケーノサはヤ国の王城に秘密通路から侵入。

 通路は無数の扉が並んだ迷路になっていて、鉄の扉を叩いた音で正しい曲音順にくぐっていくと辿り着けるというモノだった。
 サティンは鉄琴を奏でるのを得意とし、迷うことなくたどり着いた。

 レフィラスとサティンは無事にアファレアとディア、ヤースを見つけ助け出した。

 エイーナは途中にクベルと再会。
 現在のヤ国のことや、以前と姿が彼から「いなくなった王子の身代わりとして魔道士に召喚された」という事実を聞く。
 王と王子の不在を隠すために魔道士を使って国中を騙していた宰相は、自分の権限地位保つためにもっと力を持った魔道士を欲しがって、魔導師エカーチェフを手に入れようとしていたらしい。
 そして、その宰相に数十年にも渡って仕えている魔道士がいるとの情報。

 エイーナを捕らえようと戦いになる中、クベルを元の世界へと送り返す。

 黒魔道士たちに追い詰められ、怪我を負ったエイーナは、何かあった時のために転移魔導で魔導の媒介を果たす水晶を持っているクスイの姉のもとへ空間をつなげたはずだったが・・・・たどり着いた先は、異世界の妙子の元だった。

 

 合流してすぐに脱出を促されたサティンだがヤースを連れて王城の風車へと向かう。

 ケーノサにアファレアとディアを任せ、レフィラスは彼らと共に行動。

 ヤースの両親が設計したという風車には、特別な仕掛けがされていた。巨大なオルゴール。

 サティンが持ったカギはそれを起動する役割も担っていた。オルゴールの奏でる音を聞いた者は王城に集まってくる。かつて王に信頼され託されていた人物たちだった。

 ヤ国の王家、臣下の状況は皆の知るところとなり、宰相は失脚することとなった。

 

 大学の文化祭で描いた簡易の魔法陣が閃光を放ち、妙子の目前に現れたのは傷だらけのエイーナの姿。
 すぐ自宅へと運び込み応急処置をして目覚めるのを待っていた。

 そして、その妙子の隣にはちょっと見覚えのある青年。成長したクベルだった。

 異世界で傷を癒し、エイーナも知らなかった召喚者の情報を知ることができた。

 召喚され異世界にいる間は成長しない。
 いわゆる、永遠の命をもっているようなモノ。
 そして元の世界に戻ると、時間の経過はない。
 記憶は残っているが肉体的な時間の経過はないとのこと。
 同じ年齢ほどの妙子とクベルを目にして、真実だと理解、確信する。

 エイーナも異世界で2週間ほど過ごして体力回復させてから、妙子たちと別れを告げて元の世界へと戻る。

 転移で現れたのは当初の予定通りのクスイの姉セーラの元だった。

 時間の経過は予想通りない。自身の身に起こったことを姉夫婦に話し、再びヤ国の魔道士と対面することを告げる。
「大切な人を守るため、安易に自分を犠牲にしたらダメよ」

 姉のセーラに水晶のネックレスをお守りとして渡され、見送られた。
 エイーナを見送った妙子は持っていた水晶を手に取った。

亡くなった祖父の形見である水晶のネックレス。

そういえば、エイーナが身に付けている水晶とお揃いだねと笑った。

 

 ヤ国の王城近くの森。古びた塔で黒魔道士マヨと対面した。

 数十年も仕えていたというマヨは青年の姿のまま。
 召喚された者であることは間違いないらしい。

 数十年前に何もわからないまま召喚され、召喚された魔道士は魔導は成功したものの術の返しで目前で息絶えていた。

 魔導の研究者の試術で呼び出され、何もわからないまま閉ざされた塔の中で過ごし、室内にあった書物で世界と魔導を独学で学び生き抜いてきた。この世界を恨んで。

 ヤ大国の宰相は病がちだった王が亡くなっても発表せず、影武者を仕立てあげて権力を握り続けた。
 王子すら城から脱していたと知ると、替え玉にと召喚魔導で呼び出したのがクベル。
 その時の魔導師がマヨだった。
 彼を利用していた宰相だったが、彼の齢を取らない外見、体格に興味を持ち、自らの地位と権力をずっと保ちたいと、どんどん魔導に傾倒していったのだった。

 そこでソハコサの<真実の眼>を持たない王に大国とのつながり後ろ盾をエサに、魔導の禁術などいろいろ情報開示を利用していたのだった。
 南陸の大国としてライバル視しているカルマキルの王子に魔導の呪いをかけたのも、宰相たちの仕業。

 エイーナは異世界へ行った自身のことを彼に話した。
 妙子やクベルとの話を通じて、元の世界へ戻れて、やり直しはきくのだと説得をし、マヨは自身の世界に戻ると決意した。

 エイーナは、かけていた水晶を彼に捧げて彼を元の世界へ返還することができた。

 

きっかけは、連絡を受けて戻った故郷の姿。

記憶にある面影はなく、ただ廃墟と化した街並みを見た時、すべてが信じられなかった。

ここは自分の居る場所ではない。

絶望の中、現実を否定した心。

気が付けば、薄暗の冷たい建物の中。

そこもまた、記憶さえもない知らない場所だった。

気が付くと、再び廃墟の街並みが目前に広がっていた。

長い夢を見ていたようだった。

でも、胸にかけられた水晶が夢ではないと気付かせてくれる。

しばらく佇んで歩き出す。

「真世!

 自分に気付いた、幼馴染の呼び声が響いた。

 


 


     エピローグ  ( プロローグ)

 幼い頃は好きだった。
 冒険いっぱいの異世界のお伽話。
『じーちゃん、お話してー』
『どんなのがいいんだ?』
『まほうつかいで、おうじさまで、わるいヤツをやっつけるのー』
 何度も祖父にお願いして、飽きもせず同じ話を聞いていた。
『世界を滅ぼそうとする者から、世界を護った勇者だよ』と。
『ゆうしゃさま?』
『そう。彼は世界を救った勇者様』
『じーちゃんのおともだち?』
『…友達になれたら良かったね』
『じゃ、たえこはおともだちになる!』
 その胸元には、澄んだ水晶が光を放っていた。

【END】

てな感じで平行世界の本編は終了です。
ソハコサ国の勇者でなぜあまり役に立たない「妙子」が召喚されたのかなど、ちょっとは理由づけになったりしたかなーと思います。
小説を書き始めて設定をしたのはもう20年以上前。
真世の見た廃墟は「戦後の焼け野原」のイメージだったんだけど、時間の経過で合わなくなったかなと思っていたけれど、阪神淡路や東日本の震災など大きな災害は繰り返しあるものだから、細かく設定しなくてもいいのかなと最近は思いました。

てな感じで本編の魔導師エカーチェフとしてのエイーナの話は終わりです。
でも「平行世界シリーズ」としての物語はまだまだ増えていたりします(おいっ(笑))
気が向いたら、またww





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