Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


いちはぜん、ぜんはいち。

幻影の林檎 4

午後2:45―

私はシャーペンの端をかじり、

そしてクラッカーの端をかじり

青果店の前に立っていた。

というより、来てしまったと言ってもいい。

店主のおばさんが、
物珍しそうにこちらを見ている。

「かわいい子だねぇ」
そう言った気がした。

リンゴを見に来たんですよ~。

かわいいとかき...

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林檎の樹下の、実の生る下の〈読み切り〉

「やぁ、マルティネス」
その男は私に声をかけた。

歳20半ばの、筋肉質なガタイのいい男である。
そばには美女を侍らせていた。

歳10半ばの、うら若き乙女である。

「やぁ、ハビエル。

市場でその女でもひっかけてきたのか?」

「違うよ。書庫さ」
ハビエルはそう答えた。

「わかんないとこ、教え...

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古楽器店の、古ピアノの〈読み切り〉

古い楽器屋の階下には、
ピアノが置かれていた。

古い、さしずめ50年もののピアノである。

「ジョージ、あのピアノどうにかしないの?」
私は彼に聞いた。

ジョージは夫でこの店の番だ。

オーナーは私の姉がやっている。

この子からすると……伯母だった。

「ねー、そう...

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ガンズ・アンド・ローゼズ 3

現場を洗い終えたSWATは、
とぼとぼとバスの方向へと引き返し始めた。

各隊員はそれぞれヘルメットを脱ぐ。

もちろん、バスの陰で、
人目につかないように、だ。

マクミランは無線に向かって
なにやら話し込んでいる。

ジョンは他のSWATのマーカスと
なにやら談笑していた。


ふと―――いつし...

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幻影の林檎 3

午後の教室はうだるような暑さだった。

まぁ、エアコン利いてるから、
表現上“うだるような”暑さなんだろうけど……。

窓の外を見ていると、そういう言葉が
ぴったりのように思えた。

窓から差し込む光が、
(これじゃエアコン意味ないな)

窓際を照...

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