毎日、近所から数キロ圏内の桜を見て回っている。縄張りを調べる猫のように。満開に近づく度、むせそうな、胸のどこかがきしむような眩暈が強くなってくる。過去の私と出逢うのだと思ったが違う。過去から連綿と続く彼らの瞬間に立ち会っているのだ。
日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。
毎日、近所から数キロ圏内の桜を見て回っている。縄張りを調べる猫のように。満開に近づく度、むせそうな、胸のどこかがきしむような眩暈が強くなってくる。過去の私と出逢うのだと思ったが違う。過去から連綿と続く彼らの瞬間に立ち会っているのだ。
縄張りをチェックする猫のように近所の桜を見て回る。まだ全体に、7分咲き位だからだろうか、うんざりとうっとりとするような幻想はない、或いは積み重ねてそれは始まるのだろうか。蕾がめだつ。川に映った桜と合わせて、満開にむせそうな気分を作る。水がどぶ臭い。このままを受け入れること。
夢の中で私は知らない女性になっていた。
23歳ぐらいだろうか。
海外に行ってしまったらしい、別れた男が残した借金の取立てにあっている。
ジャングルジムや砂場があるさびしい公園で。
埃っぽい藤棚もあった。
私の知らない人生が、夜の世界で繰り広げられている。
亡父の夢を見た。すれ違いになる所、裸足でおいかけ抱きしめる。駅まで一緒にゆく。空を飛んでいる時、お金を落としてしまったと笑う。父と暮らしたいと思うが詩を書く場所がないなとも淋しく思う…。父は死の家に住んでいて、私はまだそこに行けないから。けれども想っていれば又逢いにきてくれる。
いつかみた夢。日記から。
ベランダから原っぱが見える。男や男の家族、親戚と後で別の場所で落ち合うことになっているのだが、それまでの時間ひとりでその部屋にいるらしい。ベランダに座ってなにかしている。詩をかいているのかもしれない。絵を描いているのかもしれない。そういうことだ。
そのうち原...