もう一つの夏(読み切り)
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/07/19 20:24:39
窓辺には、紅茶が香っていた。
8月の、いや7月の窓際。
下では、通りの夏祭りの音が聞こえる。
太鼓・笛・気勢。
退屈そうな横顔が、
ふとこちらを見た。
「ジェニファー、この街は何回目?」
日本人よ。バカにしないで。
彼はふざけて呼んだのだ。
後で……後悔する。...
いちはぜん、ぜんはいち。
窓辺には、紅茶が香っていた。
8月の、いや7月の窓際。
下では、通りの夏祭りの音が聞こえる。
太鼓・笛・気勢。
退屈そうな横顔が、
ふとこちらを見た。
「ジェニファー、この街は何回目?」
日本人よ。バカにしないで。
彼はふざけて呼んだのだ。
後で……後悔する。...
午後2:45―
私はシャーペンの端をかじり、
そしてクラッカーの端をかじり
青果店の前に立っていた。
というより、来てしまったと言ってもいい。
店主のおばさんが、
物珍しそうにこちらを見ている。
「かわいい子だねぇ」
そう言った気がした。
リンゴを見に来たんですよ~。
かわいいとかき...
精神的重商主義というのを思いついたのですが、
精神(情報空間)の押し売りで精神的な領域を
広げようというものです。
情報空間の単位がお金だったり、金だったり
するのなら、
それの大量取得と押し売りが目的です。
レバレッジ(てこ)をかける方法とも言えそうですが、
例えば、ゲームに詳しく...
並列する事象の、
順番を入れ替えても結果・流れは同じ。
並列する事象において、
順番を入れ替えても何も変わらない。
順序だって起こることについて、
順番を入れ替えても何も変わらない。
選択性のある場合において、
その選択の順番はいかなる場合も影響しない。
「やぁ、マルティネス」
その男は私に声をかけた。
歳20半ばの、筋肉質なガタイのいい男である。
そばには美女を侍らせていた。
歳10半ばの、うら若き乙女である。
「やぁ、ハビエル。
市場でその女でもひっかけてきたのか?」
「違うよ。書庫さ」
ハビエルはそう答えた。
「わかんないとこ、教え...