ゆきうさぎ (前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2023/01/22 23:18:24
大雪連峰の主峰旭岳から続く稜線の先に、緩やかに起伏をうつ二コタ平が広がっている。初夏には、一斉に高山植物が咲き乱れ、宝石を散りばめた淡い緑の絨毯が敷き詰められたようになるが、今は、白銀のモノトーンの世界が広がっている。
3日続いた吹雪がやみ、太陽の日差しが新雪に反射しキラキラと輝いている。時折、枝に...
大雪連峰の主峰旭岳から続く稜線の先に、緩やかに起伏をうつ二コタ平が広がっている。初夏には、一斉に高山植物が咲き乱れ、宝石を散りばめた淡い緑の絨毯が敷き詰められたようになるが、今は、白銀のモノトーンの世界が広がっている。
3日続いた吹雪がやみ、太陽の日差しが新雪に反射しキラキラと輝いている。時折、枝に...
共通テストの国語を解いてみたら、136点と惨憺たる成績であった。現代文、古文、漢文と適度に間違い、バランスの良い男であることを確認したが、昨年より、だだ下がりしたことはショックであった。
昨年は、二コタで創作小説を書いているのがいいのかなと自己分析をしていたが、そうではないことが証明された。いや、そ...
アミューズは、勝沼産干し葡萄とかぼちゃのプディング。これからコースが始まるのに、甘い先付けはいただけないわ。前菜は、鱒のグリル、鶏のハニーナッツ焼き、蓮根のはさみ焼きに生ハムと貝割れ、大根のからすみの5品。藁で作った雪囲いの中に器が入っていて冬らしい演出ね。夕食は期待していたなかったけど、嬉しい裏...
団子坂サービスエリアで煙草を吸っていると、小太りの男に声をかけられた。確か、田中という名前だったはずだ。チェックのシャツの上からピンク色のプルオーバーのパーカーを着て、さらにダウンジャケットを羽織っている。
小太りの体型が際立ち、たぬきの着ぐるみのようになっている。クリスマス寒波がおとずれ、日本海側...
【前話までのあらすじ】火星人の催眠攻撃を受けた健太郎は、後遺症に苦しんでいた。星羅がいなくなったコクピットで、シートに座っていると睡魔に襲われ悪夢に襲われた。
装飾の少ないシンプルな造作のカフェで、中年男性の一人客がおしぼりで顔をぬぐいながらメニューをのぞき込んでいる。駅から少し離れた住宅街にあるカ...