Nicotto Town



小説「こころ」  前編  

コの字型の校舎に囲まれた中庭に、山桜の老木が植わっている。日当たりのよい場所を好む山桜は、校舎で日差しを遮られながらも遅咲きの花を咲かせている。窓側の席のKは、机に片肘をつき、風に吹かれ、時折舞い落ちる桜の花びらを眺めていた。
級友同士の話し声や足音が響く昼休みの教室の中で、端正な顔立ちのKが桜を眺...

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悶々

昨日は、ぽかぽかのおでかけ日和だったが、引きこもり、録画していたテレビドラマを一気見していた。NHKの「つまらない住宅地の全ての家」。1話15分と短いが、テンポが良くて、とても面白い。
あと一話と最終回の24話を見ようと思ったら録画されていない。リストを上にスクロールしても下を見ても見当たらない。大...

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朝は、和食

今週は、帯広と東京に出張したが、一番大きな違いは、朝ご飯であった。新橋のビジネスホテルの朝食は、ルノアールのモーニングセット。トースト、フォカッチャ、普通のサンドイッチ、SUBWAYのようなサンドイッチの中から選らぶことができる。
帯広の朝食は、よくあるビュッフェ形式。いろいろな総菜とともに、サーモ...

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トンネルを抜けると、そこは真っ暗だった

先日、函館方面の会議のあと、翌朝、東京での打ち合わせに参加しないといけなくなった。会議の後、飛行機で間に合いますよと言われたが、北海道新幹線に乗ったことがないから、一度乗りたいと駄々をこねた。泣く子と地頭には、勝てない。新幹線での出張が認められた。
函館北斗駅で駅弁を物色するが、北海道産和牛しぐれ煮...

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ゆきうさぎ  (後編)

キタキツネは、雪うさぎの首筋にかみつこうと、口を大きく開き飛びかかる。雪うさぎは、雪を蹴りかわす。キタキツネは、雪を口の中から吐き出しながら、目で雪うさぎを追う。
雪うさぎが動きを止めた一瞬を狙って、キタキツネは再び飛びかかった。雪うさぎがよけることを見越して、キタキツネは前足を伸ばし雪うさぎを押さ...

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