Nicotto Town


つれづれ、ひねもす


最近思い出した一節


僕の愛読種類の一つにアガサ・クリスティーの本がある。

その中の『クイン氏登場』(アガサ・クリスティー著/一之瀬直二訳、創元推理文庫)の中の台詞。
ちょっと長いけどそのまま引用。改行は僕が勝手にしてるけどね。



『お聞きなさい。ある一例としてお聞きなさい。

 一人の男がある場所へ来た――自殺の目的で、と想像して下さい。
 しかし偶然にその場にもう一人の男がいた。そこで彼は目的を遂げられずに立ち去りました――生きるべく。
 第二の男が第一の男の命を救った。
 しかし死のうとしたその男にとって彼が必要だったわけではないし、彼が世間の役に立つ人間だという理由からでもありません。ただ単にある場所にある瞬間に合わせたというだけの物理的事実だけの為です。

 貴方が今日死ぬとする。
 そして多分今から五年、六年、七年と経って誰かが自殺するかあるいは不運に見舞われる事になる。
 それと言うのも貴方がある与えられた地点とか場所に居なかったという些細な事が原因だ、っていう事もありうる。
 道を走って来る暴れ馬が貴方の姿を見た為に横へそれて、道で遊んでいた子供を踏みつけずに済む、そんな事があるかもしれない。
 その子供は成長して偉大な音楽家になる事もあろうし、またはガンの治療法を発見するようになるかもしれない。或いはそんな出世物語にはならないで、子供はただ素直に成長して平凡に毎日の幸福を……』


最近余所様を回っていると、「別れ」の話題が目につく事がある。
僕にとっては、出会った事、生きてる事の答えの一つがこれ。
はっきりと一語一句覚えて無くても、これを読んだ小学生の時からじっと、心の奥にしまってある。
別れる事が分かってて出会う僕らだから。

うん、訪問先のあの人とかもまたその内、元気になれると良いなぁ。

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2010/12/14 21:18
>音さん
コメントどうもです。
うーん、実はなんかの意味があるのかもねぇ。
僕は音さんと知り合えたお陰で色々楽しいから、それだけでもう十分意味があったかなぁ。

>earendilさん
こんばんわー。いつもありがとうございます。
蝉丸ですか。また渋いなぁ…。
僕はこの和歌は琵琶と一緒に軽妙な調子で歌ってたと思ってるんだけどね。
粋な感じで、洒脱な感じで、こんな風に別れを歌えたらかっこいいだろうなぁ。

>キチイさん
どうもどうも、いつもお邪魔してます。
うん、僕も小学生の時にこれを読んだ時は軽くショックを受けました。

彼女の小説は、多分大人の方が読んで楽しめるんじゃないかなぁ。
これの元の話も素敵なラブストーリーなんですよ。
僕の好きな話の一つです。
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2010/12/14 17:32
そんなことを考えたり想像したことがなかったです。
アガサ・クリスティを読んだことはないのですが、なんだか勝手に抱いていたイメージと違って驚きました。
なんて尊い文でしょうか。知ることができてよかったです。
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2010/12/14 05:31
これやこの 行くも帰るも 別れては

       知るも知らぬも 逢坂の関
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2010/12/13 23:12
藍色さんとお知り合いになれたのも
何か意味があるのかもw




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