心の余裕
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/01 13:02:36
せっかくの良い天気なので、街へお散歩に出かけてみた。
この街は都会で、にぎわっていて。
今まで私が暮らしていた場所は森の中といっていいほど、木に囲まれた小さな村だったから。この街で見るもの全てが新鮮で楽しい。
とはいえ、人混みの中を歩くのに慣れていないせいで、しょっちゅう人にぶつかってしまったり、綺麗に舗装された道にも慣れていないから石畳につまずいて転びかけてしまったり。
そんなことばかりの自分が、恥ずかしくて、申し訳なくて。
せっかく花壇には綺麗な花が咲いていたのに。桜も咲き始めていたのに。
ゆっくりと眺める気持ちの余裕が無かった。
もったいなかったなあ。と家に帰って思ったりして。
そんな心の余裕がない自分に、更に悲しくなったりして。
だって、ずっと田舎で暮らしていたから、こんなに沢山な人が居る場所なんて初めてだから、仕方がない。
と、落ち込んでしまいそうになる自分に言い聞かせておく。
うん。そうよ。せっかくの晴れた青い空なのだもの。
落ち込んでいたらもったいない。