玉座とパーティー会場
- カテゴリ:マイホーム
- 2012/06/14 20:17:10
式場って言うか、謁見の間?な感じですね。
(どちらにしても語尾に?をつけたくなる)
ありがちな感じかなぁ、と思いつつ、掲載。
二番目の部屋ですが、いつも通りレイヤー気にせずなので埋まります。
―――――
今日は姫の誕生日。
ここ数日、ケーキの手配やら会場の整備やらに大忙しの執事だったが、ようやく全ての準備を整えてほっと息をついていた。
全ての準備は万端。あとは姫が現れるのを待つばかり。
そんな事を考えながら、まだ人の入らないホールの中を歩き回っていたら、けらけらけら、と笑い声が響いてきた。
「ばっかじゃないのー」
そんな事を言いながら笑ってくる。
誰もいないはずだか!?
驚き、笑い声の主を探すと、そいつはピアノの上に乗っかっていた。
どこから沸いて出てきたのか、小さな悪魔がけらけらと腹を抱えて笑っていた。
「ばっかじゃないのー」
執事と目が合うと、その悪魔はけらけらと笑いながらもう一度そんな事を言ってくる。
「何が、馬鹿なものか」
むっとしてそう執事が言い返すと、悪魔はけたけた笑いながら言った。
「お姫さんの願いは、豪華なパーティよりも本当に好きな奴と二人きりで誕生日をすごしたいのにさ」
「もちろん、隣国の王子も呼んでいるぞ」
悪魔の言葉にそう返事をすると、またもや、ばっかじゃないのー。と言われてしまった。
「お姫さんの好きな人が隣国の王子だって、誰が言ったのさ。何にも知らないんだね、君は。なーんにも」
馬鹿にするようにそう言って、悪魔はふわりと中空に浮かんだ。
そのまま、執事の目の前に飛んできて、からかうように右に左にふよふよと動き回る。
そのうっとおしさに、執事は悪魔を捕まえようとしたが、悪魔の方が上手でなかなかどうしてつかまらない。
「お姫さんが昔っから傍に居て欲しいと願う人。これから先もずっとずっとそばに居て欲しい人を、おれは知ってるよ」
ふよふよと動き回りながら悪魔がそんな事を言った。
「誰だ、それは」
反射的にそう問いかけた執事に、悪魔はけらけらっと笑って言った。
「悪魔と契約するって言うならば、教えても良いけどさ。君に悪魔との契約の対価を払える?」
「…無理だな」
少し考えて執事は首を振った。
「私は姫様もそばにいると誓ったのだ。悪魔と契約してる暇などない」
「つまんないのー」
執事の言葉に悪魔は顔をしかめてつい、と遠くに飛んで行った。
「これじゃあ、お姫さんの願い事はおれが何もしなくても叶ってるじゃん」
本当にばっかじゃないのー。
そんな意味深な言葉を残し、悪魔はくるりと宙返りをした。と、瞬間、ぽん、と軽い音が響き、煙を残して小さな悪魔は消えてしまった。
いったいなんだったのか。
悪魔が消えるときに生じた煙が、ゆっくりと消えて行くのを眺めながら執事は思った。
単にからかわれただけか。と執事がひとつ顔をしかめていると、奥の間から姫が執事を呼ぶ声が響いてきた。
「はい、ただ今」
慌ててその声に応えて執事は大切な姫の元へ向かった。
ばっかじゃないのー、が可愛く響いてくれてよかったです~^^
ちびっこ悪魔なので、悪!になりきれない感じではありましたが。
いい子と言っていただけて嬉しいです!
コメントありがとうございました~!!
執事をからかいながらも、最終的には二人を見守っちゃっている悪魔はいい子だと思います。
部屋を作って、なんとなく浮かんだ話を綴る事が多いのです。
こういう話をもやもやっと考えるのが好きなので^_^
ちなみに、ばっかじゃないのー、は好きな本からの引用(?)ですw
コメントありがとうございました~!!
ピアノの鍵盤の隅に座ったデビオ君が、「ばっかじゃないのー」と言っている声が聞こえそうです。^ ^
コメントありがとうございます~!
おぉ!キュンとされましたか~。
これは恋バナかな?的な感じをうっすらと出せたらな、とか思いながら書いたので、感じ取っていただけてよかったです!
この後執事は姫様の気持ちに気が付くのでしょうか!?みたいなw
改装の腕はまだまだですが喜んでいただけて幸いです^^
こういう ほのぼのとした恋バナ好きです^^
執事さんの 真摯な気持ちに キュンとしてしまいました。。
謁見の間、中二階の台座の感じが 見事ですね!
わたしも、わたしだけの執事が 欲しくなっちゃいました♪