Nicotto Town


アオイさんの日記


神様のおうち


街の中を気ままに歩き回っている、このお散歩はもうほとんど日課になっている。
その途中。神社がある事に気がついた。
この辺りを結構歩いていたつもりだったけれど。今まで気がつかなかったなあ。
鳥居をくぐって境内を覗いてみると、休憩用の椅子が用意されていたのでそこでちょっと一休みをしてみた。


家具もそろい始めて、食材などを納品する業者さんとのやり取りもひと段落がついて。
もうすぐお店を開店できそう。
今週のお休みからお店を始めようかな。最初っから休日では忙しすぎてあわててしまうかな。


そんなことをつらつらと考えながら、もうすぐ咲きそろいそうな桜の花を眺めた。
神社の中にはちょうどそういう時間なのか、人の気配がほとんどなくて。
私一人でこの桜の木を独り占めしているようなものだった。
なんて贅沢な時間だったんだろう。

ぼんやりと、思考がふわふわとあちらこちらに行くのに任せて、とめどなく感情を広げていったら、不意に、すとん、と涙がこぼれ落ちそうになって驚いた。
悲しい訳じゃない。辛いのでもない。
慣れない土地で、ずっと気を張っていたせいかな。
胸の奥がしんとなって、寂しさに近い切ないもどかしい気持ちだった。

最近ちょっと情緒不安定だな。なんて思いながら。
小さな子どもがぐずるように、ぐずぐずと泣きだしたしたい気持ちを抑えて、白い花びらがこぼれ落ちそうな桜の木を見上げた。




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