宵の客
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/10 10:42:51
今日は花曇り。
昨日は全くお客様は来なくて、今後やっていけるのだろうか。とひやひやしたのだけれど。
今日はそんなことは無くて、ちょっとほっとした。
朝、買い出しに行く市場のおばちゃんが、皆に宣伝しておくよ。って言ってくれたからかもしれない。
自転車に乗ってやってきた男の子と、花柄のスカートが良く似合っていた女の人3人組と、お年を召した夫婦。それに閉店間際にやってきた宵のお客様。
うん。数は多くは無いけどね。
だけど、それでもお客様が来たという事だけで嬉しいな。
大丈夫。のんびりとやっていこう。という気持ちになれたもの。
最後のお客様は少し印象的だった。
ひょろりとした男の人で、大きなカバンを手に持っていて、なんだか疲れた顔をしていた。
お腹がすいているということだったので、スパゲティを作ったら、美味しいと、ちょっと笑顔になってくれたので、良かったな。
旅の途中なのだそうで、これからこの街に少し留まろうか、それとも少し先を急ごうか。どちらにしようか迷っているのだと、食後のコーヒーを飲みながら言っていた。
せっかくお店のお客さんで来てくれた人だから、少しこの街に居てくれると嬉しいな。そしてまたお客さんとして来てくれたらもっと嬉しいな。
なんてことを考えてみたり。