へんなもの
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/13 22:13:19
朝、買い出しの途中に通る、雑貨屋さんの店先に大きな招き猫がいた。
とてもかわいい!!
お店の備品か何かかしら。とじっと観察してみたら、値札が付いていた!
興奮のあまりその場で衝動買いをしかけたのだけど、結構なお値段であることや不必要なものだという事で、理性がストップをかけてきた。
ぽっけから出しかけたお財布をもそもそとしまって、後ろ髪をひかれながらもその場はそのまま通り過ぎて、市場に買い出しに行って。
だけどやっぱり。
帰り道にそのお店の前を通った瞬間。やっぱり買っちゃえ。って思っちゃったのです。
流石に一人で担いで帰ることはできなかったので、お店の人に届けてもらいました。
そんなわけで、大きな招き猫さんをカウンターの脇に置いてみた。
先日も来てくれた花柄のお洋服が良く似合うお客さんが、招き猫さんに吃驚しつつもその頭をくるくると撫でてくれて、ちょっと嬉しかった。
「沢山お客を呼び込むのだよ。」
なんて事を招き猫に向かって語りかけたりもしていて。ちょっと面白い人だな。
変な顔の招き猫とか、中途半端な大きさの硝子瓶とか、古いレースの切れはしや細かな紋様が刻まれたボタンとか。
そういう、取るに足らないもの、ヘンテコなものが小さい頃から大好きだった。
ビーズの余りとか端が欠けてしまったおはじきとかを瓶の中に集めたり、道に落ちてたレトロな看板を拾ってきた事もあったっけ。
そういう取るに足らない者たちを窓枠に並べたりしてうっとりながめたりもした。そんな私の事をソラや姉さんたちは苦笑していたな。
「どう見てもガラクタにしか見えない。」って呆れた顔でソラが言ってたのが懐かしい。
ソラは元気かな。ずっとずっと一緒にいたから、今、ソラが横にいない事がちょっと不思議。