天空へ登る道
- カテゴリ:自作小説
- 2011/05/23 18:52:02
広場のキュウリがあっという間ににょきにょき伸びて、天と繋がった。
びっくり!
お空の上に登れるなんて、この街はやっぱりどこか不思議だなぁ。
空の雲の上に、街があるんだって。そこにこの伸びた蔓の先は繋がっているのですって。
街の中でひそひそ囁かれるおしゃべりに、耳を傾けて。
そうなんだ!って。
空の上に街があるんだ!って驚いて、わくわくした。
でも、まだ行っていないの。天空の街へ。
空に向かって、街の人たちが天まで伸びた蔓をよじ登っていくのを、私は見守るばかり。
お店でも、お客様が天空の街にはもう行った?なんて話をしているのをよく耳にする。
ヤマブキさんとヘイゼルさんは、もう行ったんだって。
案外簡単に登れるよ。ってみんな言ってる。
実は、ちょっと怖いんだ。
ちゃんと一番上まで登れるのかな。とか。途中で怖くなって足がすくんだらどうしよう。とか。雲の隙間から落ちてしまったらどうしよう。とか。
そんな事を考えてしまって、そしたら、やっぱりちょっと怖くて。
でも、怖い以上に、それでもやっぱり天空の街に行きたい気持ちの方が大きいから。
気合を入れて、行ってこよう!