ノルマンディシナ:Ⅱ
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/08 12:19:05
今何時だよ……
向こうに配給の台車が見える。
ちょっとかっぱら…… っと思ったが
止めとこう。
チェーホフはさっきの上官(か?)に
抱き起されて、
兵舎に運ばれる最中だった。
俺も立たないとな。
一瞬足に力が入らなかったが、
なんとか立ち上がってチェーホフの分と一緒に
ライフルを担ぎ上げて兵舎に向かった。
兵舎と言っても、にわかづくり。
ログハウスと、民家半分と急作りで張った幕。
基地は、1.6㎞南西。
国境からは離れられる。
任期まであと2日だったが
チェーホフがどうにかなるかと
心配だった。
奴の分が重くのしかかる。
やっとこさ“兵舎”に着いた。
チェーホフが「ウェ……」と言いながらなんとか
“持ちこたえて”いた……。
こっちが泣きたいぐらいだ。
言ってやりたかったがバテテるので止めとこう。
休ませたろうか。
さっきの住民には、ちょっと悪い気がした。
どうなろうと、知らないが。
続く―――