Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


マルケス・デミストリス-対峙

ハンブルグ港には今日も人だかりが出来ている。

英国の食料輸送船が入港する日だった。

神聖ローマの支配が終わるころ、

食糧危機はやってきた。


リューベックからの食料が途絶えたのである。

対外領土以外の食料は、

全部国内で消費される。


となると、農民の食べ物はない。

ブルボン家の支配は苛烈だった。


住民に対する配慮はなにもない。

あるのは不満と傲慢だけである。


フランスの支配は緩慢だった。

ドイツ以東では、密輸や密入国は頻繁だった。

ハンザ同盟以降、この地に光が差すことはなかった。


市場では、農婦の声がする。

値引きはこの不況下でも行われていた。

いつも市場はこうである。

楽器を鳴らす人、歌う人で

雑踏は賑わっていた。


食料輸送船から、人が降りてくる。

みたところ、英国海軍のようだ。


このご時世に、戦争か?

やれやれ、“お荷物”がなければいいのだが。





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