Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


マルケス・デミストリス-明朝

ベルリンでは、食料が枯渇していた。

輸入はある。だが郊外の農作地は壊滅的な打撃を受けていた。

干ばつがあったのだった。


酒もない。豆もない。牛乳すらなかった。

市場に出回るのは、小麦だけ

だがそれでもよかった。食べるものはある。


病院は病人で一杯らしい。こないだの戦傷者もある。

郊外は戦死者の墓場でいっぱいだった。

武器もないと聞こえる。

次戦争が起こったらどうするんだ。


政治の混乱は、市民生活を直撃していた。


市庁舎に戻るとしよう。

市場から庁舎までの戻るすがら、

リンゴをねだる子供や馬車に群がる群衆を

見て回った。

この町の市民は微笑ましい。

この状況でも、希望を失わないのだ。

山あいの町は穏やかだと聞く。

疎開先にいいかもしれない。

今度行ってみようかな。


オランダは景況らしい。

商人を呼ぶ準備もしなければ。

ドイツの町にビールでたけなわの声が

聞かれるのも、

そう遠くはなく思えた。

庁舎前では楽しげな光景が広がっている。

こういう状況も、悪くない。

そう思った。

終わり―――

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2013/05/21 12:49
終わるんだ…('-'*)




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