Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


マルケス・デミストリス-暁愁

私は首都郊外の市場に来ていた。

品物は全部傷んでいて品が悪い。

店主に聞くと、

「知りませんよ」らしい。

ああそうですか、

品物が悪くっても知りませんよか。

この男、年40過ぎの割には

せこいところがあるようだ。

手持ちはわずかな小銭しかない。

教会からはお金が出ないのだ。

わずかなお金がチャリンチャリンと鳴る

小銭袋に手を突っ込み、

懐の狭さを呪った。

この町にはもうすぐ橋が出来るらしい。

郊外の村とも道がつながって、

往来が活発になれば再建も早いだろう。

ともあれ、あの傷んだリンゴは見てられない。

それがなんとかなるのも、もうすぐだ。





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