Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


マルケス・デミストリス-寵愛

食料輸送の任務は、退屈だった。

はなから期待してなかったが、

疫病がうつる可能性も考えると

笑いごとじゃなかった。

あの上官はよくも平気だ。

俺ならこんなのには耐えられない。

とっとと投げ出す。

任務?知ったこっちゃないね。

食料を下すのを手伝ってりゃいいだけだ。

俺の仕事は、帆の担当だし

荷物係じゃない。

もちろん、弾薬や物資の積み荷係りは

食料を下す作業に前向きじゃない。

まるでこの国には他人を救う余裕がないような、

そんな感じだ。

大砲の手入れのほうが、まだ癒される。

撃つことのない大砲のほうが、

下したくない食料よりはましだった。





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